野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

もちろんT嬢も登場

先日読んだ『言語学バーリ・トゥード』の何がすごいって、それ自身の面白さもさることながら、派生して関連書籍にいくつか手を出してしまったことだな。
そのうちの一冊が『三日月とクロワッサン』。
言語学バーリ・トゥード』に何度となく登場するSTO先生によるエッセイだ。

STO先生のご専門は理論宇宙物理学である。そこから想像されるように、そのエッセイはやはり、常人の理解を超えたところで何か得体の知れないものが展開されている。
いや、文章自体は普通だ。内容も意外とマトモかもしれない(いややっぱりそうでもないかもしれない)。しかし注釈の量が常軌を逸している。
そしてやはり、物理学者というのはその思考が11次元の時空間を遊弋しているのだろう。4次元に縮退してしまった時空でしか世界を把握できないわたくしどものような一般人にとっては到底手の届かない、はるか2000光年の彼方に煌めく何かを感じ取るしかないのだろう。
今さらながら、クロワッサンって三日月のことだったのか、あ、そういえばcrescentがcroissantで、だからcrescendoしたりなんかもして、つまりそういうことなんか、と妙にその辺について感心したことだった(遅いわ)。