酒は百薬の長、てなことを言う。酒の飲み過ぎは身体に悪いが、適量であれば健康になれるのだ、と。
そんなのは嘘だ。
『名医が教える飲酒の科学』に書かれているのは、端的に言えばそういうことだ。
最新の研究結果により、上記のような残念極まりない知見が得られたらしい。
酒好きにすれば、到底受け入れ難い話である。
この著者も大概な酒飲みであるらしく、何かしら抜け道のようなものはないか、とけっこう必死であちこちの医者にヒアリングをしまくっている。
そんな様子に苦笑しつつ読み進めると、筋トレをした後に酒を飲むと効果が半減する(筋肉ができにくい)とか、ウコンを飲みすぎると肝臓がダメージを受けるとか、酒飲みは新型コロナのワクチンを接種しても抗体価が上がらない(3回とも副反応がほとんど無かったのはそのせい?)とか、次から次へとショッキングな話が出てきて、もう八方塞がりというか、絶望以外の何ものでもない。
知らないままでいた方が良かったこと、というのが世の中には時々あるものだな。
「不都合な真実」に乾杯。