野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

MieMuっていうんですって

三重県総合博物館で『三重の円空』なる展示をやっているらしい、というのを知り、円空のことなどほとんど何も知らないけども行ってみたくなった。
とりあえずJRで鶴橋へ。名古屋行きの近鉄特急に乗り換えるのだが、待ち時間が20分以上ある。何となく御座候で回転焼きを買った。
久しぶりに御座候を食べるなあ、いつ以来だろうと思うが思い出せない。ひょっとすると初めてなのかもしれない。ちょっと甘すぎるような気もする。

一応は移動中に読むための本を持ってきているのだが、近鉄大阪線は車窓からの景色をぼーっと眺めるのも結構楽しい。
たんだんと天気が崩れてきたが、それもまた趣があってよろしい。

津駅に到着したのは13:21。
博物館行きのバスは13:24に出る。
がんばれば乗れなくはなかったのだけど、昼飯をどうしよう、と迷っているうちに目の前でバスは出てしまった。駅ナカに立食いそばでもあれば良かったのだけど、ずいぶん前に閉業してしまったらしい。西口の改札を出てすぐにたこ焼き屋はあるけど、うーんたこ焼きってのもなぁ… いっそ駅前のコンビニでおにぎりでも買う?などと逡巡しているうちにバスは出てしまったわけだ。
次のバスは13:45。それまで待っても良いけど、駅から徒歩20分だか30分だからしいし、今のところまだ雨は降ってないし、歩いていくことにした。博物館まで行ったら何か食べるところぐらいあるでしょ。
という感じで歩いていく途中で鰻屋を見つけた。
う、鰻か… と思いつつ通り過ぎようとしたが匂いにやられて、結局その店に入った。
そんなわけで昼食は鰻丼。

皮はパリパリで、身はふんわり。このあたりのタレはけっこう甘いらしいが意外とあっさりめ。美味かった。
これでひるめしのもんだいは解決だ。ほどなくして博物館に到着。

全600巻という大般若経の見返しに描かれた「釈迦説法図」。すべて同じ構図で基本的に同じ絵ながらディテールが少しずつ(というかかなり?)異なりつつ執拗に繰り返される。
最初はこれくらいていねいに書き込まれていたのに。

それが次第に大胆かつ奔放なタッチに変わっていく。
いや、物は言いようですな。描き殴っている、と言った方がしっくりくる。しかし、それが良いのですよ。実に何とも言えない味わいで。
そしてまた仏像も、どことなくアフリカあたりのプリミティブアートを思わせるテイストで。
特に聖観音菩薩立像などは、最小限の彫刻を施したものが、ほぼ木材そのままでありながら、豊かな表情の仏像になっている。ここまでくると衝撃的ですらある。
なかなか観応えあった。常設展もなかなか楽しいのだが、あまり時間に余裕が無くてさらっと流しただけになってしまったのが残念。

帰りは駅までバスに乗ったのだが、三重交通ってPiTaPaが使えるのだな。やるなあPiTaPa
近鉄特急の発車までの時間に作の純米も買ったし、なかなか充実した思いつき弾丸ツアーじゃなかろうか。