Kindleのおすすめにやたらこの手の本が出てくる。やたらこの手の本を読んでしまうから当然なのだけど。
『悪い言語哲学入門』というタイトルがそもそも、悪い言語についての言語哲学の入門書なのか、それとも言語哲学の出来の悪い入門書なのか、あるいは良い言語哲学・悪い言語哲学・普通の言語哲学の中の「悪い言語哲学」についての入門なのか判然とせず、グッと迫れば無理無理Babyなのだが、そういうある種の多義性がすでにもう何やら意図されたもので著者の術中にはめられているんだかいないんだか。
「悪い言語」とは何か。昨今世間に広まる、いわゆるところのヘイトスピーチを含む「悪口」のことだ。悪口にも様々なバリエーション、レベル、強度がある。いやそもそも悪口とは何か。何が悪口とそうでないものを分けているのか。コンテキストか。本人の意図か。
そんなことを改めて問われると、何だか訳がわからなくなる。なるほどこれが言語哲学か。
何を書いてるんだお前、と思われるかもしれない。不快にさせたとしたら申し訳ない。
なんていうのは謝罪じゃないからな、とばっさり斬ったりもしている。痛快である。
訳分からんが面白い本だった。今後ますますこの手の本でKindleのおすすめが埋め尽くされていくことだろう。