野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

いわゆる狼少年ってやつでね。

WHOによる終息宣言はまだ先だろうけど、欧米諸国ではもうCOVID-19は過去のものになりつつあるように見える。
けどパンデミックの初期の頃のアメリカなんて、そりゃもうひどいことになっていた。
感染症の研究がもっとも進んでいるはずのアメリカでなぜそんなことになるのか。あの時いったい何が起こっていたのか。
そんなドキュメンタリーを、あのマイケル・ルイスが書いている。そら読まなあかんでしょう。

通常の社会生活を送るにはちょっと難があるかもしれない、でもずば抜けた能力を持った天才的な研究者や医師。そんなのハリウッド映画やドラマの中の話でしょ、てな人たちが次から次へと出てくる。
そんな天才がわんさかいて、何であんなに多くの人が死んだのか。
まあアレだな、CDCが悪いな。ってそれだけじゃないんだろうけど。
CDCって感染症研究のために有用なデータを入手したい、という思惑はあるけど、パンデミックを阻止しようなんていう意思はそもそも無い、てなふうに読める。ひどい話だなおい。
感染症対策って、やった場合とやらなかった場合の結果を、同じ条件で比較できないところに難しさがあるんだろうな。
失敗したらどえらいことになって、これでもかってくらいに非難される。けど上手く行った場合でも大して褒められはしない。感染症が大流行するぞ、って言って学校を閉鎖したり交通機関を止めたりしたけど何も起こらなかった(流行しなかった)、てな場合、そりゃもう非難轟々だ。パンデミックが起こらなかったのは、そういう対策をしたから、かもしれないのに。
まあ理不尽な話よね。