野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

一日働いて二千円、てのもあった

「金持ち」とは何か。金について考えないことである。
というのを、昔どこかで聞いたか読んだかしたことがある。なるほど、と思った。
『三千円の使い方』を読んで、この話を思い出した。

上記の定義に照らすと、これは実に「貧乏くさい」物話である。みんな常に、金にまつわる何かで苦労し、思い悩んでいる。
でもまあこれが、わたくしどものリアル、なのだ。
人は三千円の使い方で人生が決まる、などと初っ端からカマされる。

三千円な。

わたくしが中学生とか高校生ぐらいのころ、LPレコードは2,800円が相場だった。
洋楽だと2,500円ぐらいで買えて、ちょっとお得な感じがした。
初めて買ったLPはジャパンの"Tin Drum"(邦題:錻力の太鼓)で、これが2,500円だった。
大学生のころ、2,000円台前半であれこれ帰る三宮の輸入レコード店にしょっちゅう行っていたものだ。消費税が導入される前のことだ。

本はできるだけ文庫になってから買うようにしているが、いつまで経っても文庫にならない本というのもある。
ガルシア=マルケスの『百年の孤独』は2,800円、レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』は1と2合わせて2,700円だった。
いずれも買った当時は消費税が5%だったので、税込でそれぞれ2,940円、2,835円。ぎりぎり三千円で買えたが、今では消費税率が10%になったことにより、『百年の孤独』は3,080円、『悲しき熱帯』は本体価格も値上がりしているため3,300円にもなっている。予算オーバーだ。

高槻の餃子天国は、すでに何度か値上げしているが、餃子2人前とニラレバ炒めとヤキメシと瓶ビール1本とチューハイ1杯でも三千円でお釣りがくる。ザーサイを付けても良いかもしれないが、お腹ぱんぱんだ。

いったい何の話だ?
なるほど、「三千円の使い方で人生が決まる」というのは、つまりそういうことなのかもしれんな。