野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

胡散臭いとか言ってごめん

今年の盆休みに、実家のある鳥取に帰省した折、前から気になっていた古書店の汽水空港へ行ってみた。立地も建物も本の品揃えも、非常に味があって楽しい店だった。
でも買ったのは『構造の奥』。新刊だ。

レヴィ=ストロース構造主義についての本だ。四つの章に分かれているが、それぞれは独立した話と考えた方が良さそうだ。
そもそも「構造主義」って何なのか。正直よくわからない。レヴィ=ストロースも『野生の思考』と『悲しき熱帯』、その他数冊を読んでみたし、さらにこの本も読んだけども、何だか煙に巻かれた感じで、結局よくわからない。
だいたい、中沢新一氏の本ってのは、文章がカッコ良くて読んでて気持ち良いし、内容はぶっ飛んでて胡散臭いけど面白い。でもたぶん学術的にはトンデモの部類に入るんだろうなと思う。いいんだよ別に。
それにしてもレヴィ=ストロース、婚姻体系の構造を群論で説明したっていうけど、本当かな。異なる部族どうしの婚姻体系が同型(または準同型)ってこと?となると、ある部族の婚姻体系は群の構造を持つってことで、それはつまり、ある演算について閉じているってことだけど、その演算って何?そもそも何が元?単位元は何?
などと、なまじ中途半端に群論など齧ってしまったものだから、枝葉のところが気になってしまって、ますます何がなんだかよくわからないことになったのでありました。