野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

貴種流離譚という見方もできますね

十二国記』revisited企画、今度は『東の海神 西の滄海』、舞台は雁国だ。この国の延王は『月の影 影の海』にも前作の『風の海 迷宮の岸』にも出てますな。その前作ではこの十二国記の世界(「常世」と言うのだそうな)における麒麟システムについて説明していたが、王と麒麟の関係性というのは、単なる主従関係でなくそれぞれのキャラクターによって様々なバリエーションがあるのだ、ということを示している。

さて延王である尚隆というのが、常世で里木の果実(卵果)として産まれたのに「蝕」によって蓬莱に流された、ってまたかよ、景王の陽子もそんなんだったじゃないか。やたら王や麒麟の卵果ばっかり流されるって、行く先々で殺人事件に出くわすコナン君なみに不自然ちゃうの?と思わんでもないが、まあそんな事を言い立てるのも野暮ってもんで。
それにしても一昨年ぐらいからだろうか、「忖度」という言葉が人口に膾炙するようになったのは。それまではかなり特殊な単語で、日常の会話の中で使われることはないとわたくしは思っていた。だからNHKが国会議員の意図を忖度して番組内容を改変した、という事案についての報道を見て、うわこんな言葉を使っとる、と少し驚いたのだ、それが2007年のこと。『東の海神 西の滄海』はそれよりもさらに前の作品だ。が、この物語で更夜はすでに「忖度」をしている。それも、まさに今の日本で官僚たちが暗愚な宰相の尻拭いのために強いられている、あの「忖度」だ。更夜の親分は決して更夜に具体的な指示は出さない。なにか困ったことがあった時、それが何によって(誰によって)起こっているのかをそれとなく更夜に伝えるだけだ。うーむすごいな、時代を先取りしているじゃないか十二国記

新幹線でビール飲んでないんだぜ

昨夜はちょっと調子に乗りすぎた。今朝はきっちり廃人だ。廃人だけれども東京へ行かねばならない。仕事仲間のH君が先日めでたく入籍し、その結婚式ならびに披露宴に呼んでくれたのだ。ことにその披露宴はリストランテにて、ってなわけで、そりゃ這ってでも行きますよ。
朝飯を食べられるような体調ではなく、とりあえず新大阪駅の新幹線改札内で売っているミックスジュースでカロリー補給した。あと、とん蝶も調達し、新幹線の中で食べた。
式場は南青山の教会だ。東京メトロ丸ノ内線と銀座線を乗り継いで行った。

式を執り行った牧師は外国人で、実にステレオタイプな「ぅあなたはぁ、神をぅ、信じすまかぁ」的なカタコト日本語だったのだけど、あれひょっとして演出のためにわざとやってるんとちがうんか?と何だか罰当たりな感想を持ってしまったのだけど、でもほんとどうなんでしょうね実際のところ。
披露宴会場はエトゥルスキというリストランテ。イタリアンですな。
いやぁやっぱり料理の美味しい披露宴ってのは良いですな。唯一残念なのは、二日酔いのせいでワインを泡白赤と一杯づつくらいしか飲めなかったということだ。などと言うと、そんだけ飲んだら十分やろ、とある人に突っ込まれたが、あんたそれは言わない約束だよ。

さて、披露宴が終わったのは17時半ごろ。実は披露宴の後に六本木にあるBREWDOGのオフィシャルバーか新宿のベルクあたりにこそっと行ってこましたろかな、と思って新幹線はのぞみ200番台の最終を予約していたのだが、残念ながら前述の通りの体調であるからしてとてもそんな気になれず、むしろ予約時間を早めてとっとと大阪へ帰ってしまったのであった。新大阪についたのは21時すぎ。あまり食欲は無いが、でも腹が減ったような気がするので、在来線の改札内にある浪花そばでたぬきそばを食べた。ここの出汁はなかなか美味いな。阪急そばよりも好みだ。
そんなこんなで帰宅したのは22時前。いやあお疲れさんでした。披露宴の前日にはあまり飲みすぎない方が良いですよ。

なんでこうなった

さて金曜日でもあるし、仕事帰りにちょいと一杯、てことで、千日前のCRAFT BEER W&Wへ行ってみた。BREWDOGのPUNK IPAがタップで飲める店、ということで久しぶりにPUNK IPAいてこましたれ、と思ったらPUNK IPA無くなってやがんの。何てこった。しゃーないしインドの青鬼にした。これの生は初めてな気がするな。

んで、南茨木まで帰ってきて。三文字、という串カツ屋があるのだけど、実はこの店単なる串カツ屋ではなく日本酒のラインナップがイケてて(かどや酒店だった)、しかも魚系のアテが豊富である、ということが最近になって発覚したので調査に行ってみた。
おお、奈良萬があるではないですか。で串カツ屋なのにもずく酢なんてものがメニューにあるので、そいつでちびちびと。で、「初めてですか?」「はい、インスタ見て来ました」「インスタで来たお客さん1号です」てな話を店主としているうちに調子に乗ってきて、二杯目に菊鷹。

せっかくだから串揚げも、てことで注文した子持ち昆布が濃厚でやたら美味い。なるほど、こりゃ日本酒でイケるわ、てなもんで。茨木界隈のあれこれやら、かどや酒店の話題やらであれこれ話し込み、なぜだか焼酎のお湯割りまで飲んでいた。とっくに営業時間はすぎているので、えらい遅うまですんまへん、てな感じで退散した時にはすっかり泥酔していた。うーむおかしいなこんなはずではなかったのだけど…

あのころはまだフサフサだったんだ

歯医者で2回目の治療。前回型を取ったインレーを装着して、一丁上がり。ほらね、普通の歯医者ならこういう治療はちゃんと2回の通院で完了するもんですよ。

寒いので、久しぶりに焼酎のお湯割りを飲んだ。ただいまの買い置き焼酎は千本桜。いやー美味いね。柳田酒造は麦の赤鹿毛も美味いが、芋もまたたまらんですな。

てな感じで酔っ払いつつ、『ハドソン・ホーク』を観る。

ハドソン・ホーク [Blu-ray]

ハドソン・ホーク [Blu-ray]

どんな映画だったかキレイさっぱり忘れていたが、観ているうちにだんだん思い出してきた。そうそう、いつまで経ってもカプチーノが飲めないやつだ。なかなかのバカ映画。けっこう評価は分かれるようだが、わたくしは好きな感じだ。…などと言いつつ、途中で気を失っていたようだ。やれやれ。でもまあ、わざわざ観直すほどでもないだろう。中味は大して無いし。気になるのは、最後にカプチーノが飲めたかどうか、てことだな(かすかな記憶では飲めたような気がする)。
しかしほんとブルース・ウィリスって仕事選ばんね。

西麻布あたりで中南米料理を食べるなら

ローリング・ストーンズのライブ盤はいくつかあるけれども(そしてすべてを聴いたわけじゃないけれそも)、個人的には"Love You Live"が最高峰じゃないかと思っている。少なくとも、一番よく聴いたライブ盤だ。でも、なぜかCDは持ってない。レンタルしたのをカセットにコピーしてたんだったかな?いずれCDを買おうと思いつつ数十年、というよくある話だ。それをApple Musicで解決、というのもまた最近ではよくある話。いやーずいぶん久しぶりに聴いたんじゃないかな。

これ、よく聴くとなんだかすごくヘタクソな感じなのよな。ミック・ジャガーの歌もけっこうぐちゃぐちゃで、特に終盤の"Brown Sugar"とか"Jumpin' Jack Flash"あたりなんて、もう何言ってんだかよくわからない。ラリってんじゃないの?てなぐらいに。でもそこがまた何とも言えず良かったりする。殴り書きっぽいテイストのジャケット同様に、ルーズなグルーブ。そして、このライブアルバムを名盤たらしめている、あの「エル・モカンボ・サイド」の"Little Red Rooster"と"Mannish Boy"はやっぱり一番の聴きどころじゃございませんこと?

すっかりやる気をなくしています

仕事で使っているPCのWindows 10を1809にアップデートしたら、OutlookとEdgeの動作が猛烈に遅くなった。というのは正確ではないな。Outlookの受信フォルダを更新するのに30分〜40分ほどかかることがある。Edgeも同様。Sharepointにログオンするのに死ぬほど時間がかかる。それ以前に、Edgeを起動してからアドレスバーに何かを入力できる状態になるまでに数十分かかる。いつも、というわけではない。しかし、どういう条件の時にこのようになるのか、よくわからない。かなりタチが悪い。はっきり言って、仕事の効率が恐ろしく低下している。そして精神衛生にも好ましからぬ影響を与えている。この年明けにWindowsをアップデートしてから、ずっとそんな調子だ。さすがにたまりかねて、本日はついにデフォルトブラウザをEdgeからChromeに変更した。それ以来、実に軽快に動作している。メールも、ChromeでOWAを使っている。たまにOutlookアプリが使えるようになったタイミングを見計らって、処理済みの受信メールをローカルに落とすようにしている。
これで幸せになれるのかと思ったら、社内の業務用Webアプリで「Chromeには対応していません」なんていうのがあったりして軽く殺意を覚える。そういうのに限って、サポートするブラウザはEdgeでもなくてInternet Explorerだったりする。いったい何の冗談だ。それあんまり面白くないぞ。

そこまで枯れんでええんとちがうの?

ブライアン・フェリーの新譜が出る(出ている)という情報を得て、さっそくApple Musicで聴いてみたのはもう、昨年の暮れのことだったか。ずいぶんと昔のように思える。

Bitter-Sweet

Bitter-Sweet

  • ブライアン・フェリー
  • ジャズ
  • ¥1600
実は3月の来日公演に行く予定にしていたので、そりゃ新譜はチェックしとかないとな、というのもあったのだ。で、聴いてみた感じといえば、何とも微妙。
非常に渋い音だ。少しばかり渋すぎる。非常にオールドファッションドで、吉本新喜劇のあのオープニング、ほんわかぱっぱから能天気さを抜き取ったような音だ。そりゃフェリー君もお爺ちゃんなんだけどさ。うーむ、と思いつつ聴いていると、あれ、この曲はどこかで聴いたことがあるような… で曲名を見ると、"While My Heart Is Still Beating"と。ああ、"Avalon"に入っていたあの曲!改めてよく見たら、これアルバム全体がセルフカバーじゃないか。ロキシーはもちろん、ソロの"Bête Noire"や"Olympia"に収録の曲もけっこうやってるってのに、アルバム後半に来るまで気付かんかったんか、てなもんだが、まあそれくらいにアレンジも変えられてしまっているというわけですよ。
あまりに微妙だったので、1回だけ聴いて放ったらかしにしていた。でまた改めて聴いてみた。うん、渋いですね。でも正直わたくしの好みとはちょっと違う。3月の来日公演、どんな感じでやるのだろう?というかどんな曲をやるのだろう?この路線でやられると、ちょっと辛いなあ。やはり“Avalon”あたりのあの雰囲気でやってほしいな、とわたくし切に願うのであります。