「ホワイトカラーは給料ドロボーか? (光文社新書)」
なんともセンセーショナルなタイトルで、思わず手に取ってしまった人も多いのではないだろうか。源氏物語の箸休めに読んでみた。
- 作者: 門倉貴史
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 新書
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この本の本当のメッセージは、「はじめに」と「おわりに」を読めば分かる。本文は、それを補強するための説明と数字の試算、そして解説にすぎない。そして、タイトルにある問いかけに対しては、何も答えていない。ホワイトカラーが本当に「給料ドロボー」であるかどうかは、読み終わってからの読者の判断にゆだねるのだそうだ。
一時期話題になっていた「ホワイトカラー・エグゼンプション」がうまく機能するには、欧米並みに労働力が流動化しており、かつホワイトカラーの成果を客観的・定量的に評価する仕組みが確立している必要がある。したがってホワイトカラー・エグゼンプションを日本で導入するのは時期尚早である。それでも日本の労働市場が流動化して行くのは避けられないだろうから、個々のホワイトカラーは、自分の「エンプロイアビリティ」、まあ平たく言えばどこの会社に行っても通用するような普遍的な能力、を高めて行かないといけない、まあだいたいそんなところだ。
今更そんなことを鼻息荒く言わんでも、という気もしなくはないが。