海堂尊、佐藤優といった人たちの本を読んでいると、役人ってホントにロクでも無い連中が多いなと思ってしまう。この「『亡国農政』の終焉」もそう。
- 作者: 山下一仁
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2009/11/07
- メディア: 新書
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まあこういう本を読むときには、ある程度割引をしながら読んだり、あるいは逆の立場の人が書いた本なんかも読んで検証しながらバランスを取る必要はあるのだけど、それにしても。
官僚というのは、ほんとはエリートとしての正しいプライドを持ち、高邁な理想にもとづいて国家、あるいは国民のために働くべきものだ。と本気で思っている人はやっぱりいる。けどそこに色んな利権やらなんやらが絡んで来ると、もうグダグダで。農協と自民党農林族と農水省の「農政トライアングル」が日本の農業をダメにした、と著者の山下さん・元農水省キャリア官僚は糾弾する。佐藤優氏が外務官僚の質の劣化を嘆いていたように、山下氏も農水省の官僚の知的レベルが低下していると指摘している。
今ちょうど読んでいる、ウチダ先生の「街場のアメリカ論」においても、
アメリカでは、公務員は一定期間在職すると必ず権力を濫用して私利私欲をはかるようになるということがはじめから「織り込み済み」だということです。そのような「性悪説」の上に官僚制度が作られているのです。これは日本の「親方日の丸」官僚制には見ることのできない種類のリアルな人間観察と言えましょう(日本の場合は「官僚はその性善である」ということが制度的な前提になっています。それがどれくらいの弊害を生みだしているのかはご存知のとおりですね)。
(「街場のアメリカ論」p.111より)
てなことが書かれていて。
昨年9月の政権交代で、「農政トライアングル」は一旦ぶっこわれて、さてこれからどうなるのかというところでございますが。
あ、どうでも良いですけど、「マニフェスト」を「マニュフェスト」と書かないでいただきたい。他は別に文句ないです。