あの「ジョーカー・ゲーム」シリーズの後、いったいどうするつもりなのよとちょっと心配していたのだが、何の問題もないようだ。
柳広司の新作「キング&クイーン」をブックファースト梅田店で買ったら、サイン入り初版本だった。相変わらず達筆な。そういえば先日の京都KBSにおけるペペ・トルメント・アスカラールのライブでCDを売っていたのだが、「菊地氏本人によるサイン入り!」てなことを書いていた。サインは本人がするのが当たり前だろうがよ、と思ってしまうが、わざわざそう書くということは、必ずしも「本人が書く」ということが当たり前ではない、ということなのだろう。ショッピングモールの片隅などでワゴンに積んで売られている500円ぐらいのCDも、「本人による演奏です」みたいなことがわざわざ書かれていたりするもんな。
- 作者: 柳広司
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/05/26
- メディア: 単行本
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それはまあどうでも良いことで。今度の主役は元女性SP。あ、「元」ってのは「SP」にかかるんであって「女性」にかかるのではないのでご注意を(誰に注意しとんねん)。わざわざ注意しないとわからなくなるかも知れないような登場人物もいるから、念のため。
あまり手の込んだトリックみたいなものはなくて、ひょっとすると本格的ミステリファンにとっては物足りないかもしれない。けどいいんじゃないの別に。小難しそうなのはちょっと、という向きにも楽しく読めるはず。それでも安っぽくなってないのが良い。
いつまでも「ジョーカー・ゲーム」と比べられるのもうっとうしいだろうが、あれよりちょっと派手になった感じ。ひょっとして映像化を意識しているのだろうか(あちこちにそういう意図が見え隠れするように思える)?だったら姫川玲子と勝負だな。