イタリア人といえば、ええ加減でおしゃべりで陽気で女好きな連中、というのがステレオタイプなイメージだ。一方で、今回の「脱原発」路線に行くのに、「原発なんて日本人でも事故を起こすようなものを俺たちに扱えるわけがない」と言ってみたりして、妙にその辺自覚的なところがあったりするのだが、実際のところどうなのか。
「イタリア病の教訓」によれば、そのイメージは概ね間違ってないようだ。我々日本人からすれば、そんなええ加減なやつらでも、お気楽に暮らしていけるんだからええよなあ、てなもんだが実情はそうでもないようで。まあ当然といえば当然ではあるが、特に90年代に入ってからはイタリア経済は凋落の一途をたどり、もはや破綻寸前。そしていわゆるところのワーキングプアであるとか少子高齢化が進みそりゃもう大変なことになっているようだ。
- 作者: 松本千城
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 新書
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
要するにイタリアも日本と同じような問題を抱えているわけね。
この本を読むと、ベルルスコーニ首相ってホンマにろくでもないおっさん、という感じで、でももう大丈夫、ベルルスコーニは辞めて、もうちょっとマシな人が首相になるから、規制緩和も構造改革も進んで、これからは期待して良いですよ。っていう話なのだけど。あれ?
イタリアの首相ってベルルスコーニなんですけど。
この本が発売されたのは2006年。そこからもう5年も経ってしまったのだ。そして、あんなに問題の多そうなベルルスコーニが、また首相になっている。結局、いったんは改革路線に行ってみたものの、やっぱり「ダメだこりゃ」となったんだろうな。それにしたって、なにもあれだけ問題の多いベルルスコーニでなくても良いじゃないかと思うのだが、ようわからん。
いやはや、奥が深いですな、イタリア人。