「ジーン・ワルツ」が文庫化されたので、読まなければ、とずいぶん前から思っていたのだがどういうわけだかずっと先送りになっていた。そうこうするうちに映画化もされてみたり。
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06/29
- メディア: 文庫
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今回は、舞台がいよいよ桜宮市を離れて東京へ。しかしながら、残念なことにわれらがヒーロー白鳥氏は一切登場しないんである。
そこはちょっとばかし寂しいが、それでも相変わらず、つい読みふけってしまう面白さ。
もうひとつ相変わらずなのは、日本の医療における諸問題を、次から次へと暴きたてている、この強烈なアジテーション。ほんとに、厚労省の官僚でだれか、これに対する反論みたいなものを、書かないのだろうか。このままではあまりにも一方的に、日本の厚労省はマジでクソだ、ということになってしまうのだが。
わたくしは何も、海堂氏の書いていることがウソ八百だ、などと言うつもりはない。まったくない。だけどこういうことに関する判断というものは、やはり両方の言い分を聞いたうえでフェアになされるべきではないかと思うのだな。今後1年間のうちに、海堂氏によるこの告発に対して厚労省の関係者は、なにがしかの弁明、ないしはもし海堂氏の書いた内容について何らかの事実誤認があるのならば、その旨を指摘せよ。でないと本当に海堂さんの書いてる通りなんだと思ってしまうよ。いや、勝手に1年間って決めてごめん。
でもさ、一年たってもできないことは、まあ何年かけてもやっぱり無理だと思うよ。このキング・オブ・グズの俺様に言わしてもらえればね。