やっとのことで「言葉と物」を読み終わった。途中で2週間ほど休みがあったものの、2ヶ月近くかかっている。日本語で読んで、これだけかかった本というのは、他に記憶がない。
- 作者: ミシェル・フーコー,Michel Foucault,渡辺一民,佐々木明
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1974/06/07
- メディア: 単行本
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それだけの時間をかけてこの本を読み、いったい何がわかったのかというと、実は何がなんだかさっぱりわからなかった。まったくなんてことでしょう。
いや、「フーコーってやっぱり難しいわ」っていうのがわかったな。そんなのは読む前からわかってたか。
こんな本よく日本語に翻訳できたなあ、と思う。7年もかかったというのもむべなるかな、だ。
世の中の難解本のなかには、翻訳がクソであるために不当に難解になっているものが少なくないが、これはどうも原書が難解過ぎるのだと思う。内容は理解できないけど、それはなんとなくわかる。
それにしても、世の中のほとんどの人には届かないこのような本を書いて、フーコーはいったい何をしたかったのだろう。本文中の
西欧の知の空間はいままさに崩壊に瀕している。
(p.270)
というところにフーコーの問題意識は端的に表れているのではないかと思うが、ではそれに対して、ルネサンス以降の「知の枠組み」の変遷を見ていくことで何が得られるのか。
まことにもって謎である。
なんにせよ、年末までに読み終わることができてよかったよかった。