野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

文脈は変わってもやっぱり王道なのよ

「日本の文脈」を読んだ。内田樹中沢新一というこのお二人の対談集だ。そりゃ読むだろ、とりあえず。

日本の文脈

日本の文脈


「まえがき」にはこんなふうに書かれていた。

「内向きである」とか「非効率的である」とか「国際的でない」とか「ガラパゴス的である」とか、さかんにネガティブなことを言われて批判されているいわゆる「日本的なもの」を、広く深い人類的な視点から見直してみると、むしろこっちのほうが人類的には普遍性を持っていて、その反対の価値観、つまり「効率性第一」とか「利己的個人主義」とか「障壁なき国際性」とか「今日のアングロサクソングローバル資本主義」とかを支えている考え方のほうが、ずっとローカルで特殊的にひねこびていて、人類的な普遍性を持たない考え方なのだ(pp.5-6)

そうなんですよ。まったくどいつもこいつも。
対談は複数回にわたって色々なテーマで行われたのをまとめたものだが、農業・武道・神話・贈与・ユダヤ的知性・チベット仏教・資本主義・原発と一神教… そりゃもう話はあっちこっちへとあらぬ方向へ飛びまくる。でもその感じがまたなんともスリリングで楽しいのよ。だいたいが今までに聞いた(読んだ)ことのある話ばかりなのに、あらためて色々と発見がある、というね。
いやあ、貪るように読んでしまいましたですよ。