野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

街場の政治論、炸裂

「沈む日本を愛せますか?」が文庫になっている。

2009年の春から2010年の秋ごろまでの、「SIGHT」での対談、とにかく日本の政治について語りまくったのを本にしたもの。そう、もう5年も前の話だ。2009年といえば、自民党の末期で、そして「政権交代」で民主党が与党になり… という頃。その時の状況とそこからの未来予測について、渋谷陽一内田樹高橋源一郎というじつに「濃い」お三方が語るわけで、そりゃもう無茶苦茶ですよ。
2010年の秋ごろまで、ということは、その前後で世界をすっかり変えてしまった3.11の少しばかり前、ということだ。そういう事情もあって、この時点における将来の予測というのは、あまり当たっていない。でもそんなことはあまり問題ではない。その予測をするにあたっての、当時の政治状況とか、あるいは政治家に対する所見や分析というのが、じつに面白いわけですな。特に小沢一郎鳩山由紀夫の2人についての分析は秀逸だと思う。
「SIGHT」での対談は今も続いているらしい。少なくとも単行本ではこの続編(「どんどん沈む日本をそれでも愛せますか」)が出ている。これもまた文庫化が待ち遠しいですな。