野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

油断のならない世の中ですな

日経ビジネスオンラインAmazonの「やらせレビュー」についての記事があり、驚いたり感心したりしつつ読んだ。けっこう手間をかけているのだなあ。
で、その記事のライターがサイバー犯罪業界にディープダイブして取材したという本『サイバーアンダーグラウンド』が紹介されていたので、あっさり釣られて読んでみた。

取材対象は多岐にわたっている。前述の「やらせレビュー」から、特殊詐欺(いわゆる「オレオレ詐欺」とそのバリエーション)、アダルト系ライブチャットフィッシング詐欺、そして本気のクラッキングなどのサイバー犯罪、さらには国家レベルのサイバー戦闘部隊まで。
ライブチャットは一応は合法(でないのもあるようだが)だし、特殊詐欺はあまりサイバーではないけど、ICTと後ろ暗いビジネスが共に依存しつつ発展していく様子とか、もはや手がつけられないほどに進化し肥大化してしまった特殊詐欺のエコシステムであるとか、非常に興味深い。
そしてサイバー犯罪の実態について。あんなのハリウッド映画の中だけかと思っていたら、わりと実際にある話のようで。しかも小学生とか中学生ぐらいのガキが面白半分でやってたりするのよな。おじさんびっくりだよ。
そしてハリウッド映画や海外ドラマを見れば良くわかるように、現代のスパイ活動にはテクノロジー、特にICT系は死活的に重要であるため、専門の部隊がいたりするのだな、冗談ぬきで。
そう言えば先日も三菱が受けていたサイバー攻撃がニュースになっていたけど、あんなの彼らが本気になったら、普通の民間企業ではとても太刀打ちできないんじゃないのかな。
国家レベルのサイバー攻撃は、民間企業だけではなくて、普通に電力とか公共交通システムなんかもターゲットになっていたりするようだ。恐ろしい話だ。
CSI: サイバー』あたりのドラマに影響され、Macbookのカメラにテープを貼って目隠ししていた妻を笑えなくなった。幸いにしてわたくしが仕事で使っているノートPCのカメラは物理的にオフにできる(スライド式の蓋がついている)のでそれを活用している。
しかし自分のMacbookとかiPhoneはそれができない。とりあえずそれらのデバイスの前では女装をしないように気をつけている。