野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

それは昭和の話だけども

わたくし大学生の時に、とんかつ屋でアルバイトをしていたのだけど、その時の時給は500円だった。1985年の話だ。
それから6年、ずっと同じ店でバイトを続け、最後の方は650円ぐらいになってたかな。よく憶えてないけど。
それくらいの感じで『ニコニコ時給800円』というタイトルを見ると、そりゃ800円もらえりゃニコニコだわな、と思ってしまうがそれは違う。

ニコニコ時給800円 (集英社文庫)

ニコニコ時給800円 (集英社文庫)

まあもちろんわたくしだって、そこまで世間知らずではないつもりだ。
つまり時給800円は、薄給なのだ。ほぼ最低賃金ぐらいの給料で、でもけっこう機嫌よく、マンガ喫茶とかパチンコ屋とか、あるいは洋服屋の店員として働く人たちには、それぞれに事情もあって。というようなお話で。
ニコニコ働いているかもしれんが、この連作小説に登場する彼らを見ていると、時給800円ではやはり「労働力の再生産」は難しそうだな、という感じがする。
ちなみに、2019年の大阪府最低賃金は時給964円となっている。800円はこの金額を下回る。この本の初版が出た2011年当時、大阪府は786円、東京都で837円が最低賃金だ。
そういえば、わたくしが大学に入学した時、国立大学の年間の授業料は252,000円だった。学部を卒業して大学院に入る時に339,000円に値上がりしており、ひどい話だと思ったものだが、何と今では535,800円だというじゃないか。
わたくしが働いていたとんかつ屋で、とんかつ定食は当時680円だった。今は880円になっているようだ。30年でとんかつ定食は30%しか値上がりしてないのに、学費は倍以上だ。そりゃ少子化も進むわな。