土井善晴せんせと中島岳志さんのオンライン対談が『料理と利他』という本になってミシマ社から出るという。ということはKindle化はされないだろうし文庫になる可能性も低いだろうから、単行本を買って読むのがよろしかろう。
(と思ったらきっちりKindle化されていたけど、でもこれは紙の本で読みたい)
ということで昨年の暮れに購入し、正月にのんびりと読んだ。
考えてみたら西洋料理ってレシピが重要で、その辺がもうすでに、要素還元主義で、実に西洋的ですわな。料理を再現・反復可能な「技術」として標準化しようという発想なわけね。音楽における平均律とかバークリー・メソッドみたいなもんだろうな。
そういえば、和食の「和える」と「混ぜる」は違う、というのも、へええー、と思ったな。混ぜすぎてはいけない、混ぜすぎると味が落ちる、と。
その他にも、小芋の煮転がしは日常、含め煮は非日常(ハレ)の料理である、とか、味噌汁は出汁を入れなくて良い、とか、いろいろと感心するやらびっくりするやら。
いやー、面白い本でした。