お、太田のオジキの新作が出とるやないか、と気づいて早速に『月の下のカウンター』を買い求めたのは3月の初旬。
- 作者:太田 和彦
- 発売日: 2021/03/05
- メディア: 文庫
新作と言っても10年ほど前に出ていたものの文庫化だが、ボーナストラックがたっぷりと追加されておりお得感がある。
あちこちの媒体に書かれたもののコンピレーションで、やはり読んでいて楽しいのは居酒屋の話だが、他にもちょっと毛色の異なるものもあれこれ含まれていたりするのが個人的には目新しい。たとえば東北芸術工科大学でデザインを教えていた時の話。そういえば太田さん、本職はデザイナーだった。
実にこの、熱いプロフェッショナリズムが炸裂しており、いつものゆるい感じで飲んだくれているのとはまた違う一面が見られて興味深い。職人なんですね。
あと、椎名誠さんから依頼されて書いたという3編も収録されていたのだが、これらがいずれも思い切り椎名誠テイストなのにも驚いた。さすがオジキ、器用でらっしゃる。
そんな感じでいろいろてんこ盛り。ごっつあんでした。