野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

苦闘は続く

みずほ銀行といえば、いろいろやらかす銀行、というイメージがある。つい先日もまたやらかしていた。莫大な費用と年月をかけ、「IT業界のサグラダファミリア」などと上手いこと、じゃなかった酷いことを言われつつもやっと、新しいシステムが完成した矢先のことだ。
メガバンクの再編の中で3行が合併して誕生したみずほ銀行は、その最初のシステム統合でコケた。数年をかけて統合したシステムがなんとかまともに稼働できるようになったと思ったら、今度は2011年の東日本大震災義援金の振り込みが殺到したら不具合を起こした。その後いよいよ勘定系システムを刷新しようってんっで超大規模開発プロジェクトをスタートするのだがこいつがまたなかなか上手いこといかない。それでも何とか完成にこぎつけることができた。すげーぞみずほ、よくがんばった!ってのが『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史』の内容だ。

『史上最大のITプロジェクト「三度目の正直」』なんていう副題がついていて、今となってはこれがまたなんとも辛い。
「二度あることは三度ある」って付け直すか。
一度ならず二度までも起こしてしまったシステム障害の根本原因は、結局は歴代の経営陣のITに対する無理解と軽視、投資の決断を先送りしたこと、そしてリーダーシップの不足、てなあたりにある、と断罪されている。まあ気の毒ではあるが、そう言われても仕方ないかな。
システム障害発生時の様子や経緯を事細かに記述されており、読んでいてお腹が痛くなる一方で、なかなか興味深くもある。へー銀行のシステムってそんなアーキテクチャなのねー、というのも参考になる。いや参考にはならんか。
とりあえず、これだけ苦労して完成させたシステムがまたなんで大規模な障害を起こすのか、誰か解説してもらえませんかね。