野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

ややこしいおっさんやで

この副島隆彦という人は、いったい何者なんだ?
『ウイルスが変えた世界の構造』を読んでそう思った。

新型コロナはただの風邪なのに騒ぎすぎ。
先のアメリカ大統領選では不正選挙が行われており、本当はトランプが勝っていたはずだった。
新型コロナはアメリカが武漢に持ち込んだ。ヒラリー・クリントンがやったんだ。あいつら統一教会だから。
オレだけが真実を知っている。他の奴らはバカだから気付かない。

なんてことを言ってるもんだから、あー、どっかから電波を受信する系の人かー。と思ったのだけども、よく読んでみると、意外とまともなことを言っている部分もある、ような気がする。
正直なところ、ちょっと判断がつかない。
対談相手の佐藤優氏も、様々なトンデモ話のほとんどを否定するでもなく、かといって同意するでもなく。まあ単にいちいち否定したり訂正したりするのが面倒だったのかもしれんが。
その割には、内閣調査室の使えるカネが多い、というのには反論していたけども。そこかい、と思った。
そして、「世界の構造」の話のはずが、キリスト教の各教派の歴史、ことにそこから派生したユニテリアンについてやたら詳しく語るというのも… まあ流れ上そうなるのもわからなくはないのだが、ちょっとタイトルと内容が合わないような。
クセの強い2人によるクセの強い対談。読んでいると、そのなんとも言えない毒気にやられてクラクラしてくる。でもこの2人、他にも何冊か対談本を出しているのだな。ということはつまり、佐藤氏もこの副島氏のことを単なる電波系として扱っているわけではない、ということか。
困ったことに他の本にもちょっと興味が出てきた。