野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

イカレた師匠の弟子は意外とマトモだった

副島某というクセの強いおじさんと佐藤優氏の対談を読んで、いったい何者なんだこの人は、と思っていたら、その弟子とされる人の書いた『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』などというセンセーショナルなタイトルの本がKindleのおすすめに出てきたので、ついうっかり購入してしまった。迷惑な話だ。

タイトルの煽り具合からして、またバイデンは不正選挙で当選したんだとかヒラリーは統一教会だとか、世の中のみんなは騙されていて「オレだけが知っている」陰謀論が披瀝されるのかとうんざりしながら読んでみた。
ところが、意外とマトモというか真面目な内容で、ちょっと拍子抜けした。
バイデン政権は、「4年越しのヒラリー政権」である、という。
政権の中枢にいる人々について、そのプロフィールや思想を事細かに解説している。これは正直ちょっとばかし退屈な部分もあるのだが、非常に緻密で丁寧な情報収集と分析をしているのだな、ということはわかる。
そして、その分析に基づいた諸々の見解のようなものには、一定の説得力がある。
この著者の師匠のように「バイデンは不正選挙で大統領になった」だの「新型コロナなんただの風邪なのに騒ぎすぎだ」なんて妄言を吐くわけではない。「大統領選挙において不正があった」と、少くない数の人が信じている、という事実や、新型コロナ対応に伴う政府による国民の統制がはらんでいる危うさ、などを指摘している。
そして、「トランプ大統領が分断を作り出したのではない、米国の分断がトランプ大統領を誕生させたのだ」とも。この辺はエマニュエル・トッドあたりも言っていたことだが、こうやって丁寧に説明してくれれば、なるほどそうかと理解するし納得もできるのだ。
それにしても師匠は何であんなにエキセントリックなんだろう。そういう演出なのか(しかしどういう目的で?)、それとも認知症が始まっているのか。
謎は深まるばかりである。