野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

みなさん苦労なさってます

『なぜ人と組織は変われないのか』なんてまた、ちょっと手を出すのに躊躇するような「いかにも」なタイトルだ。

成人の知性には「環境順応型」「自己主導型」「自己変容型」の3つのレベルがある、てな話を聞き、それがこの本に説明されているということだったので読んでみた。
環境順応型は、主体性はないけど言われたことをきっちりやる。自己主導型は自己が確立しており、しっかりした判断基準を持ち、組織をりーどしていくことができる。自己変容型は自身の判断基準、価値観についても客観視でき、必要に応じてそれをアップデートしていける。後の方ほど知性のレベルとしては上なんだそうで。ふーん。
でもこの本の主たるメッセージはそこではなくて、人はどれだけ歳をとっても変わることができる、ということ。
そのためには自己変容型の知性レベル(母数は忘れたけど1%ほどしかいないらしい)が必要なのだと思うけど。まあ言ってみればそのレベルに達するにはどうすれば良いのか、という方法論でもあるということか。
人であれ組織であれ、本気で何かを変えたいと思っていても、多くの場合は上手くいかない。その「変革」を成功させるには気合と根性ではなく適切な手段と手順に従う必要がある。
変革を助ける手段として紹介されているのが「免疫マップ」(原語はImmunity Mapだからそうなるのはわかるけど、あまり良い訳とは思えないな… )を作ること。変革を妨げている「阻害行動」、なぜそんな行動をとってしまうのかという「裏の目標」を特定し、さらに、なぜそのような「裏の目標」が設定されるに至ったかについて考える。それは割と誤解・誤認を含んだ思い込みに基づいていたりすることが多い。だからいったんそれを忘れてみれば… というような話。なるほどね。
で、その事例を延々と紹介して500ページほどのボリュームになってしまう、というこの手の本にありがちなパターンだけど、これはまあ「そういうもの」だから。