野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

特にハイボールが好きなわけじゃないです

久しぶりに東京に泊りで出張で、たまたまそこに飲み会の予定が上手いことはまったので、立川の駅前にある大きめの焼鳥屋にて、7〜8人ほどで飲んでいた。
十兵衛、という店だ。
この店、実は日本酒のラインナップがなかなかイケているのだが、飲み放題コースにすると、そういうイケてる日本酒は注文できなくなる。
まあそれはしゃーない。
しゃーないので生ビールなど飲んでいた。

で、我々の連れの一人が、注文したハイボールのグラスが小さい、と文句を言い出し、店員のおねいさんに、もっと大きなグラスで出せないか、と打診した。
答えはもちろんNoだ。

でも本当は、大きいグラスにしておけば、こちらは何度も注文しなくて済むし、店側もテーブルまで酒を運ぶ回数が減って、お互いWin-Winとなるはずである。
が、まあダメだというのなら仕方がない。

わりとえげつないペースでハイボールを飲み、次から次へと注文する。ビールを飲んでいた他のメンバーもハイボールに切り替え、がんがん注文する。2杯注文したハイボールが運ばれてきたら、そこで3杯注文する、といった具合だ。
本当は、いわゆるところの「グラス交換制」なのであるが、ハイボールの入ったグラスはテーブルの上に乱立しており、それぞれがメンバーの誰に属するものであるかが判然としない。そんな状況で、ハイボールを注文した誰かが、その時点でどれだけのハイボールを残しているのか、などということをいちいち確認などしていられないので、とにかくハイボールは注文すればいくらでも持ってきてくれる。

ひょっとするとテーブルにいる人数よりハイボールのグラスの方が多いのではないか(というか明らかに多い)という状態になり、店側もついに諦めたのか、ハイボールをポット(だいたいグラス3杯分)に入れて持ってくるようになった。
思い知ったか、ついにポットを勝ち取ったぞ、という感じで喜ぶ我々。

しかし冷静になって考えてみれば、後半にポットで供されたハイボールは、ずいぶん薄かった。ほんのりウイスキーのフレーバーがついた炭酸水だ。いや、炭酸もほぼ抜けてしまっている。
が、こちらの理不尽な要求を通してポットを勝ち取った高揚感によって、もはやそんなことはどうでもよくなっているのだ。

アホな酔っ払いやなあ。