先週の火曜日に出張の予定が入っていたのだが、本が切れていた。そこで前日の夜、仕事帰りに書店へ寄って何冊か調達した。これで完璧。と思っていたら、当日の朝にその本を持って行くのを忘れてしまった。哀号。
しかたがないので、新幹線の乗り換え時間に新大阪駅の改札内にある書店で、適当な本を買っていった。それが「技術経営の常識のウソ」。
- 作者: 伊丹敬之,東京理科大学MOT研究会
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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なんて安っぽいタイトルだ… これだけでもうハズレ感たっぷりなのだが、背に腹は代えられない。何もないよりマシだろう、ということで行きの新幹線のなかでぼちぼち読んだわけだ。
意外と良いじゃないか。第1部の「アメリカ信仰からの脱却」、オープン・イノベーションとかプロジェクトマネジメント型の組織マネジメントがうまく行くなんてだまされるな、といったあたりの話は、非常に興味深い。
だけど、第2部の「日本の強みを正当に評価する」あたりでちょっと中だるみな感じ。日本発の本当に画期的なイノベーションなんて無いだろ、という世間一般の信憑に対して、んなこたねーぞこの野郎、という主旨は良いのだけど、なんかちょっと読んでてダラダラ感が否めないのよね。
第3部の「生産関連の技術蓄積を活かす」では、企業内の情報システム開発のように定常的ではなく数年に一回ぐらいしか発生しないような業務はどうしてもアウトソースしたくなるが、ここはやはり全部を外部SIベンダに丸投げするべきではない。ではどうすれば良いのか。というようなお題がある。これに対して、伊勢神宮の遷宮にヒントを得よう、という試みもなかなか面白いと思う。まあちょっと無理矢理感がなきにしもあらずだが。この本、色んな人が書いてるのを集めてるから、まあクオリティの違いはあっても仕方がないのだろうけど。ちと惜しいですな。
で、後で気付いたのだがこの本の編者が書いた本を以前にも読んでいたのだが、なんだかやっぱり似たような感想なのだな。うーむ。どうも微妙でんな。