野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

デザイナーをナメたらあかん

お、太田のオジキの新作が出とるやないか、と気づいて早速に『月の下のカウンター』を買い求めたのは3月の初旬。

月の下のカウンター (小学館文庫 お 3-8)

月の下のカウンター (小学館文庫 お 3-8)

ちびちびと読んでいるうちに、随分と経ってしまったなあ。
新作と言っても10年ほど前に出ていたものの文庫化だが、ボーナストラックがたっぷりと追加されておりお得感がある。
あちこちの媒体に書かれたもののコンピレーションで、やはり読んでいて楽しいのは居酒屋の話だが、他にもちょっと毛色の異なるものもあれこれ含まれていたりするのが個人的には目新しい。たとえば東北芸術工科大学でデザインを教えていた時の話。そういえば太田さん、本職はデザイナーだった。
実にこの、熱いプロフェッショナリズムが炸裂しており、いつものゆるい感じで飲んだくれているのとはまた違う一面が見られて興味深い。職人なんですね。
あと、椎名誠さんから依頼されて書いたという3編も収録されていたのだが、これらがいずれも思い切り椎名誠テイストなのにも驚いた。さすがオジキ、器用でらっしゃる。
そんな感じでいろいろてんこ盛り。ごっつあんでした。

大きなハゲと小さなハゲのおはなし

昨日の昼に豚山のラーメンを食べたせいか身体が重い。
いや実際、前日比で0.5kgぐらい体重が増えていた。恐るべし豚山。
脂肪を燃やさねば…
ということで、本日は北を目指してみた。立命館からJR茨木、春日商店街、弁天下を経て茨木カンツリー横のジョギングコースを走ってみる。
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ちょっとしたトレラン気分で、なかなか良い感じだ。
郡山団地に抜けて、R171を渡って西国街道を走り、川(茨木川か勝尾寺川のどっちか)が見えてきたのでその川沿いに適当に走っていたら、また先ほどと同じ、R171を渡った地点に出てきた。ありゃー。
しゃーないんでアルプラザあたりまで行き、耳原公園の横を通って茨木川に沿って南下。お、またR171に出てきた。ここまで来ればわかる。
てことでいつものように川端通りと桜通りを経由して帰ってきた。これで18km。
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全体にロード成分が多めなところはイマイチだけど、ちょっと工夫すればわりと良い感じのコースになりそうな気もする。

夜に『ワイルド・スピードスーパーコンボ』を観た。

いやもう、タイトルからしてすごく頭悪そうだし、ドウェインジョンソンにジェイソンステイサムなんて、何とも贅沢なファイト一発ハゲ映画。
殺人ウイルスにMI6にテロ組織、そしてカーアクションと大爆発。ほらね?超絶頭悪い。
原題は"Fast & Furious"なのに『ワイルド・スピード』なんていう邦題が付いてて、日本版では頭悪さがマシマシだ。
このシリーズ初めて観たけど、面白いな。今回は残念ながら吹替版だったが、やはりこれはぜひ字幕版で観たいところだ。

イソジン野郎のやることなんてのは

隔週ぐらいで心斎橋の整骨院に行っている。
実はここ3回ほど続けて、ラーメン豚山で昼飯を食べている。
1回目はミニラーメンを、2回目にはミニラーメンの汁無しを食べた。
そして3回目となる今回は、ミニラーメンに煮卵をトッピングした。
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ミニラーメンと言ってもこのサイズだ。世間水準では「並」だろう。
いわゆる二郎系というやつだ。
野菜は減らすこともできる。が、あえて標準サイズを指定している。つまり「そのまま」というやつだ。
なかなか美味い。特に焼豚は絶品と言って良いと思う。しかし、異様に腹持ちが良い。つまり、夜になっても腹が減らない。
いや、一応はなんとなく空腹にはなるのだけど、何かが消化しきれず残っている感じがする。
毎回後悔しつつも、すでに3回目だ。
背脂を追加したくなるが、今のところ思い止まっている。そんなことしたら翌日の昼ぐらいまで腹が減らないんじゃないだろうか。
しかし世の中には、これの小ラーメン(普通の店の大盛りぐらいある)とか大ラーメン(ミニラーメンの3倍サイズ)で、野菜もニンニクもアブラも「マシマシ」にして食べるという人種も少なくないと聞く。まったく想像を絶する世界だ。

ラーメンで満腹になった後、くつか用事をした。さらに夕方から髪を切りに行くのだが、少しばかり時間があるし喉が渇いたので、梅田のドルフィンズでビールを一杯。
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明日からいよいよ緊急事態宣言発令。またかよ、と思うが今回は禁酒令付きだ。ふざけやがって。
ドルフィンズも、明日から休業するにあたってできるだけビールを売り切ってしまいたいのだろう。メニューの中で、これはもうありません、というのが半分くらい(ヒューガルテンが無いのは残念)。そして、わたくしが注文したプリムス樽生は、レギュラーの値段でジョッキいけまっせ、とのことだったが、そんなにがっつり飲むつもりもなかったので、レギュラーサイズにて。
今夜はどの店も駆け込み客で密なんじゃなかろうか。
時短よりも人数制限させた方が効果あると思うんだけどな。そりゃもちろん、もっと効果あるのは休業だけど、きっとその辺の公園とかで飲むやつらが続出するよな。まあすでにやってるやつら結構いるらしいけど。そうするといよいよ、小売店でも酒売るなとか言い出すのかな。ほんまの禁酒令やんけ。

これが昭和ですわ

Apple Musicで浜田省吾は聴けない。と思い込んでいたのだけど、実は昨年の1月には解禁されていたのだね。
それに気付かず、近所の中古CDショップで『Illumination 』を買ってしまったよ。

いやあ懐かしいなあ。
って言いたいとこだけど、このアルバムは聴いたことなかったわ。
しかしすごいね、良くも悪くも、時代を感じさせる音ですわ。
歌詞もよく聞いてみると、けっこう酷いのよね。「散歩道」あたりに漂うモラハラ野郎の香り。何ならフィジカルな暴力も振るってたんじゃないのかな。知らんけど。出先で見かけたセーターを彼女に買ってやろうと思ってポケットをさぐると少しの小銭だけ。って、自分の所持金も把握してないのかよ、とか、んな行き当たりばったりな、そーいうとこやでアンタ、とかいろいろ指摘したくなる。
そして「片想い」の湿度の高さよ。ほとんど演歌だねこれ。なんか歳取ったせいかストライクゾーンが広がってきて、今なら普通に聴けるけど。一番よく浜省を聴いていた中学とか高校の頃は逆に、この辺の曲がどうも気色悪くて聴く気にならなかったのよ。
「今でも新鮮」とか「いつまでも色褪せない」とかいうのも結構なんだけど、こういう風にきっちり経年劣化(?)するのもエイジングにより味わいが出てきた、みたいな感じでまた良いんでないですか。

そういうのが受けると思ってるんだろ

ずっと気になりつつもなかなか手を出せていなかった『時間は存在しない』を、先日の爆買いでやっと入手した。

時間は存在しない

時間は存在しない

それにしてもこの『時間は存在しない』という邦題はまた、何ともセンセーショナルだ。ラカンが「<女性>は存在しない」と言って以来、とりあえず「**は存在しない」と言っておけば世間の目を引くと思ってるんじゃないかという気もするが。
原題の”L’ordine del tempo”は「時間の順序」ぐらいな意味のようで、これは確かにこの本の内容によく合っている。
しかるにこの『時間は存在しない』は、ハイデガーへのオマージュ、というのもあるのかもしれないが、まあ少なくない人々が、「時間は存在しない」ってどういうことやねんそれならなんでワシらは存在しないはずの時間にいつも追いまくられていつもひーひー言わされなあかんねんコラ、と文句のひとつも言いたくなるだろうという、なかなかアイキャッチングなタイトルですわな。
別にロヴェッリは、時間が存在しない、とは言ってない。
ただ、きっとどこかにあるのだろうと信じていた、唯一にして絶対のものであるところの、時間、というのは存在しない、と言っている。

いや、それはそれで十分に衝撃的じゃないか。
そんなことで物理学の、さらには自然科学全般の体系は成り立つのか?

成り立つんだそうだ。

さらに、独立した物理量として定義された時間、というのは、やっぱり存在しない、ということでもあるらしい。
それはあまりにも、我々の(少なくともわたくしの)直観に合わない。
が、その直観というやつを疑え、ということだ。
我々が直観だと思っているものは、結局は今まで作り上げられてきた自然科学の体系を、学校教育のプログラムの中で長年にわたって教え込まれてきたものがベースになっているのであって、実はちゃんとした根拠があるわけではない。そういわれると、もうなんだか足下ががらがらと崩壊して行き、いったい何を信じ、拠り所にしていけば良いのだ、と不安な気持ちにさせられる。

時間は存在する。が、それは、単一の方向に直線的に流れていく何か(あらゆる「時間」の基準となるもの)が宇宙のどこかにある、ということではなく、単に「出来事」の順序に過ぎず、進行方向に区別があるわけでもない。
ということらしい。
いやいや、気が抜けてヌルくなってしまったビールが再びしゅわしゅわでキンキンに冷えた状態になることはないし、冷めてしまったスルメの天ぷらが揚げたての熱々には戻らないし、酔っ払ってやらかしたあれこれを無かったことには決してできないだろう。時間は一方向にしか流れないのだから。
それは熱力学の第二法則、いわゆるエントロピー増大の法則というやつだ、高校の時に習ったぞ。
しかしそのエントロピー = 乱雑さ、っていったい何なのよ?と突っ込んで考えてみると、我々が乱雑であると考えているものも、ミクロのレベルでは特に差はない、ということになる。つまり、我々が世界を認識する時の「解像度」が十分でないために、ある状態を「乱雑さの度合いが高い」としているだけの話であると…

ぶっ飛んだ話だ。しかし、「そう言われると確かにそうだな」と思う。
この本に書かれていることが事実だとして(いや事実だろうけど)、だからといって日常生活で何かが変わるわけではない。
が、世界は実はこんな成り立ちをしているんだ、という見方を知ると、身の回りの景色も少しばかり違って見えてくるってもんではないですか。

そりゃ不急なんだろうけども

前回35日分処方された降圧剤がそろそろ無くなりそうなので、病院へ行ってきた。
それなりに降圧剤の効果は出ているようだ。特に拡張期(いわゆる「下」)の血圧は有意に下がったと思う。以前は90前後だったのが、80前後になっている。
病院で受付後に測られる血圧も十分に正常範囲だった(今までだいたいこの時点で結構高めの数値が出ていた)。
ところが、受付後1時間半ほど経過した後の診察(この病院の待ち時間はいつも長い)で医師が言うには、以前に行った血液検査の結果はちょっと微妙である、と。つまり、ホルモン系の疾患が原因である二次性高血圧の可能性も否定できない。まあ降圧剤でそれなりの効果が出ているからそれで良いっちゃ良いのだけど、てなことを言われた。
おいおい、前回は異常なしって言うとったやんけ、話ちゃうがな。確かに前回とは担当医が違う(この病院は曜日によって担当医が変わるのだ)けど、それで所見が変わるってのはちょっとどうなん?

具体的には原発性アルドステロン症、の可能性があるらしい。副腎からの過剰なアルドステロンの分泌が高血圧を引き起こすのだとか。
そんなわけで、次回はCTスキャンを撮ってみましょう、ということになった(今日撮らへんのかい!)。
どうも、副腎に腫瘍ができていたりすることがあるらしい。その場合は、二つあるうちの片方(腫瘍がある方)の副腎を手術で切除してしまうのだとか。
これがもし、両方の副腎に問題がある場合は、切るわけにいかないので投薬治療となる。投薬で済むならそっちのほうがええやんけ、と思ったが、どうも一生投薬を続けなければならないらしい。
うーむ、それは嫌だな。
かといって手術ってのもなあ。今の状況だと「不要不急の手術」ってことにされそうだ。
まあ実際そうなんだけども。
とりあえず本日は降圧剤を8週間分処方された。どないやねん。
次回CTスキャンを撮る時は、前の晩21時以降絶食だ。
いやあ、今から楽しみだなあ。

セイバーメトリクスの次はデリバティブでっか

ほぼ一日中降っていた雨は昨日の夕方には上がったようで。
今日は午前中のうちに走ってきた。走っている間はだいたい曇っていて、けっこう寒かった。走り終わってから晴れてきやがんの。
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今使っているランニングシューズは昨年買ったものだが、まだ一年も経っていないというのに、これでもかというくらいに汚れている。
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さすがにこれはちょっと、と、ずっと気になっていたのを、本日やっと洗った。
うむ、キレイになった。
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先日やっと原作を読み終わったので、録画してあった『マネー・ショート』を観た。

マネー・ショート華麗なる大逆転 (字幕版)

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  • 発売日: 2016/06/22
  • メディア: Prime Video
せっかく原作を読んだのに、マイケル・バーリ以外の主要な登場人物の名前が全部変えられているから、何だかよくわからんかったじゃないか。
まあ、仮に原作通りの名前だったとしてもわからんと思うけど。
いや、別に話自体はややこしくは無いのだけど、出てくるデリバティブの仕組みがわけわからんすぎるのだ。モーゲージ債はまだわかるけど、CDOとかCDSとか、さらにそいつらをショートだロングだISDAだ、なんて言い出したら、もう何がなんだか。
なのに、なぜだか映画は面白いんだよなー。
お、このローレンスっておっさんは『フォード vs フェラーリ』のヘンリー・フォード2世(トレイシー・レッツ)じゃないか。つまりここでもクリスチャン・ベールと共演ってか。
原作を読み終わった時に気づいたんだけども、マイケル・ルイスって『マネー・ボール』の作者でもあるのよな。であの映画はブラッド・ピットが主演で、この映画にもシレっと(最初気づかんかった)。
使われている曲も、なぜかGNRの"Sweet Child O' Mine"とか、ZEPの"When The Levee Breaks"(エンドロールで流れる)だったりってあたりもなかなか。
それにしてもデリバティブって難しいよねえ。