かなり久しぶりに、「名人伝」を読みました。新潮文庫の「李陵・山月記 (新潮文庫)」です。
- 作者: 中島敦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/12
- メディア: 文庫
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初めて読んだのは、たしか高校生ぐらいのときだったかと思います。この新潮文庫版には「山月記」、「名人伝」、「弟子」、そして「李陵」と全部で4作品が収録されていますが、この「名人伝」が一番印象に残っています。こういう話、大好きです。今回20年ぶりぐらいに読み返してみたわけですが、ストーリーもさることながら、この全体に背筋がピンと伸びたような、簡潔にしてそれでいてどんどん引き込まれて行くような、テンポの良い感じの文章がたまりませんね。
あと、「漢」と書いて「おとこ」と読んだりするわけですが、この「李陵」なんかを読むと、なるほどなぁと思ってしまいますね。あんまり関係ないか。
それにしてもこれが「新潮文庫の100冊」に入ってないというのはいかがなものか。赤○次○なんかを入れて、中島敦をはずしたっていうんじゃ、見識を疑われますぜ、新潮社さん。
ちなみに、この「名人伝」(と「クロスロード」も?)をパクった「贋作・名人伝」というのがこれまた。おもわずニヤリ。