「人間性未来論」てずいぶんとイカツいタイトルだけど、読んでみたら面白い本じゃないの。
- 作者: 中田豊一
- 出版社/メーカー: 竹林館
- 発売日: 2007/12
- メディア: 単行本
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ヒトはなぜコトバを持つにいたったか、てな話から始まって、コミュニティにおけるギブアンドテイクの法則について語る。経済発展にともなって崩壊する原型共同体の枠組み。途上国援助がなぜうまくいかないのか、という話とファシリテーション。そして大切なのは「対等感」である、と最後はそれなりのところに落ち着く感じだが、いや実に話があっちからこっちへとダイナミックに振られること。なんだかドーキンスとカウフマンとレヴィ=ストロースとアダム・スミスを同時に読んでるような感じだ。いや、アダム・スミスは読んだこと無いけどさ。
ところで、市場原理による自由競争を導入し経済を発展させるには、従来の地縁・血縁に基づく共同体の枠組みはぶっ壊す必要があった、てな話だけど、日本ではつい10年ぐらい前まではまだ「ケインズ型公平配分モデル」だったわけでしょ?これは本当の自由競争じゃなかったわけで、それを小泉政権以降の「ハイエク型傾斜配分モデル」に移行すると、これは本当にエラいことになる、とそういうことですか。
じゃーどうするか、ていうとそのあたりはあんまりよくわからん、というか、「中国やインドももうすぐ同じような状況になるわけで、実際そうなってからでないと先行きは見えない」てなことを書かれてるように思える。むーん、そうですかあ。