「世界観とは、所詮は全貌を見せてくれないこの世界を切り取って観るためのナイフに過ぎない」ってなかなかの名言じゃないですか。
第二期R文庫の3冊目、「中陰の花」でござんす。
- 作者: 玄侑宗久
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/01
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (35件) を見る
芥川賞受賞作なのね。これは好きだな。解説が河合隼雄さんというのもポイント高い。
「人は死んだらどうなんの?」がテーマか。作者の玄侑宗久さんは現役の僧侶だが、この小説に出てくるような、「プラクティカルな禅僧」なんだろうな。そしてきっと、プラクティカルなだけじゃなくて正直なんだと思う。なんとなくそんな気がする。こんな小説書いたら、「あんた坊さんやのに何や結構色々と迷いがあるんやな」と言われそうな感じだもの。実際、迷い(と言って良いのかどうかわからんけど)があるのかもしれん。でも、その方がなんとなく信用できる。