「中谷美紀」なんて、そんな紛らわしい名前の作家だかジャーナリストだかがおるんかいな、ととぼけたことを思っていたら、そじゃなくて、あの女優の中谷美紀さんですがな。
- 作者: 中谷美紀
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/08
- メディア: 文庫
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映画「嫌われ松子の一生」を撮り終えて、精魂尽き果てた彼女が向かったのがインドだった。なんだかよくわからんような、でもわかるような気がしなくもない話だが。いきなりひと月以上も、女性一人でインドとは。ただこういう度胸の要る旅行ってのは結構女性のほうがよくやってるみたいだけど。あたしはちょっと真似できないね。
チューブわさびにウェットティッシュ、消毒用アルコールを携行し、ことあるごとに手や足をウェットティッシュで拭く、というぐらい気をつけているかと思ったら、それは最初の数日だけのこと。じきに野菜サラダやら屋台のアイスクリームやらを食べ始める。そんな無茶な、と思っていたらやっぱりお腹を壊したようで。当たり前よね。だけど、そうそういつまでも潔癖にはしてられない、しかたないわな。
彼女はもともと東京でもヨガをやっていたそうで、本場インドでのヨガ体験というのが主な目的のひとつとしてあったようだ。なので各地でのヨガの話が出てきて、これはなかなか面白い。「ヨガの母」と言われる人の後継者が運営しているアシュラム(修行道場)でのこと。ハリウッドスターなどの著名人がここで修行した、などといったことをやたらと吹聴し、この場所は世界でも最高レベルである、と断言するヨガの先生の話は笑えて、同時に、読んでるだけで疲れる。なぜかインド料理の本を日本で出版させられそうになったり、有名シタール奏者との共演を持ちかけられたり、はては土産物にテキスタイルを買わされそうになったり… なんだかワケわからんが、笑かす。