鹿せんべい、そんなにうまいか

ついに「鹿男あをによし」が文庫化された。「鴨川ホルモー」を読んで以来、はやく文庫化されないかと待っていた一冊である。ちなみにTVドラマの方は、見てない。

鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

奈良のとある高校に赴任して来ることになった若者のお話、てそれ「坊ちゃん」でないのと思っているとそのとおり、随所に「坊ちゃん」的ディテールが散りばめられている。だけど物語のフレームはやっぱりマキメ的。現代に生きる我々からみればなんてことない普通のできごと、というのが実はいにしえより伝わる儀式であり、これを故障なく遂行するために市井の人々が魑魅魍魎（ちょっと違うか）により理不尽な努力を強要される、というような。つまり「ホルモー」と同じなわけ。おバカ度はホルモーの方が高いけど、この鹿男もめっぽう面白い。
「プリンセストヨトミ」も文庫化希望。