ほむらさんの新刊(といっても既刊本の文庫化だけど)が出た、と聞けばまずは購入。「世界音痴」。
- 作者: 穂村弘
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/10/06
- メディア: 文庫
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多かれ少なかれ、誰でも自分自身の中にほむらさん的なるものを抱えているのではないか?だから、ほむらさんのエッセイを読むと、「んなアホな」と言いながらもどこか人ごとでない感じを覚えてしまうんだと思う。少なくとも僕はそうだ。もちろん、ベッドで菓子パンを食べたりはしないけどね。
この「世界音痴」ってほむらさんの初のエッセイ集だったのだな。その後に出ている「本当はちがうんだ日記」と「現実入門」を読んでいるのだが、それらとは少し違ったテイストがあるな、と思う。前記の二冊は読んでて吹き出すことが多いので電車で読むのには適さないが、この「世界音痴」は実は落ち着いて読める。といっても面白くない、ということではない。でもどこか切ない。「自然さ」を奪われ、世界に入れない者の哀しみが伝わってくるのだろう。
それにしても、初めのほうでは「38歳、独身、子供無し、海外旅行経験なし」だったのが、いつのまにか途中で何の断りも無く「妻」の話が出てくるっていうのはどうなんだ、ほむらさんよ。