どうもあやしいなぁ、ってずっと思ってたんですよ。
いやなに、ほむらさんのことなんですけどね。
かなりアカン人っぽいんだけど、ちょっと油断ならんのとちがうかな、って。
やっぱりね。
- 作者: 穂村弘
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/12/21
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「もしもし、運命の人ですか。」
って、「人気歌人による恋愛エッセイ集」?いや、そんな生易しいもんと違うでしょこれは。ほとんど哲学書じゃないの。いやちがいますね、すみません。
でもやっぱりすごいわ、ほむらさん。アカン人やなあと思わせといて、でも実はちゃっかり、だもの。
その辺、解説を書いた瀧波ユカリさんはちゃんと見抜いてるわけですよ。ちょっと長いが解説を引用しよう。
「小心者で、自分が他人にどう思われているかが気になって仕方がない。だけど自分を飾り立てる勇気はない。恋愛の機会は多々あれど、『いい人』で終わってしまう事がコンプレックス。常に世界とちょっとだけずれていて、多少の生きづらさを感じている。妄想癖が半端ではない。しかしそんな自分が嫌いというわけではなく、むしろ強く激しい自己愛に振り回されている。」
この本から読み取れる穂村弘像をざっと書くとおそらくはこんなダメな感じだろうが、私はここにもうひとつ付け加えたい。「そして、そんな己の性質を打ち明ける演出によって、女性を虜にする技に長けている。」
うーん、鋭いです瀧波さん、すぱっと上手いこと書いてくれてます。
それにしても、単に自意識過剰で挙動不審な社会生活不適応者と、ほむらさんの差っていうのは、いったいどこで出てくるんだろうなあ。やっぱりそのダメっぷりをいかに上手にカミングアウトするか、っていうあたりなのかな。
まーそんなこと考えてもしょうがないんですけどね。