ホルヘ・ルイス・ボルヘスって、ずっと気になっていながらその著作を読んだことのない作家の一人だった。
どういうわけか文庫の新刊が立て続けに出ていて、「詩という仕事について」とどっちにするか迷ったのだが、結局「砂の本」を選んだ。
- 作者: ホルへ・ルイス・ボルヘス,篠田一士
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/06/28
- メディア: 文庫
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短編小説集なのだが、いやはやなんとも不思議な味わいの作品である。ラテンアメリカ文学、というのが一般的にこういうものなのかどうかは知らないが、この荒唐無稽ぶりはガルシア=マルケスと通じるものがある気がする。ただしあのような狂騒的な勢いに乗って突っ走るのとは違って、道に迷って同じところをぐるぐると回り続ける感じ、とでもいうか。もうはっきり言ってワケわからんのだが、例えば表題作の「呪われ感」みたいなものが、これまた不思議な魅力を醸し出すんである。
ちょっと時間を置いて、次は「詩という仕事について」か「伝奇集」あたりを。