ジャレド・ダイアモンドの「昨日までの世界」は、21世紀版「悲しき熱帯」といったところか。
国や地域によって文明の発達の度合いに差があるのはなぜか(「銃・病原菌・鉄」)、文明はいかにして崩壊していくのか(「文明崩壊」)、といった問いに対して、各分野からかき集めた膨大な知見をもとに、執拗な考察を加えたのが前二作。
今回は、数千年にわたって存続してきた、数十人から数千人規模の、文明化・工業化されていない社会(筆者の言葉で言えば「伝統的社会」)について。
- 作者: ジャレド・ダイアモンド,倉骨彰
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2013/02/26
- メディア: ハードカバー
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とりあえず、我々が当たり前のことだと思っている社会規範というのは、いちど疑ってかかったほうが良さそうだ。いかなる種類の社会であるか、によってそんなものはまったく違ってしまう。
それにしても相変わらずマッシヴだ。ジャレド本を読むには、それなりの覚悟がいる。今までに比べれば、多少ボリュームが減ったとは言え、それでも上下巻に分かれてトータルで700ページを超えるわけだから。一週間以上かかってやっと上巻が終了。