- 作者: 姫野カオルコ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/01/08
- メディア: 文庫
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何それ変な名前。と、書店を徘徊中に見つけた本を、つい買ってしまった。先日の東京出張において池袋に宿泊したことの影響は否定しきれない。
姫野カオルコ。この人の作品はまったく読んだことが無かったのですよ。ちょっとしたチャレンジですな。変なタイトルの本だな、とまず思ったのだが、この短編集の表題作では、登場人物の「部長」が池袋のことを「変な名前」と言っている。でも、部長もけっこう変なのだ。いやこの短篇そのものがちょっと変、で、どこか不思議な味わいを持っている。この表題作だけではない。大体みんな、ちょっと不思議なテイストがある。思うに、それとなく、あるいは露骨に姿を現しながら全編に通底する昭和ノスタルジーが発酵し、醸し出すそこはかとない匂いというのが、この独特の味わいになっているんじゃなかろうか。いや、知らんけども。