野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

花咲舞はあなどれない

書店で「杏のふむふむ」なんていう、なんとなく腑抜けた感じのタイトルのエッセイを見つけて、ああ杏ちゃんね。へーエッセイなんかあるんや、ぐらいに思っていたのだけど何となく気になり、ちょっと手にとって見れば解説・村上春樹なんて書いてあるので、あーこりゃいかんと思って買ってしまった。
で読んでみたら、これがあんた大当たりで。

杏のふむふむ (ちくま文庫)

杏のふむふむ (ちくま文庫)


昔は芸能人のエッセイといえば、たいてい名前だけで実際には誰かゴーストライターが書いたもの、と相場が決まっていたものだが、昨今ではそうでもないケースもあるようで。これもたぶん本人が書いてるんだろうなと思う。いやもちろん、実際のところはどうだか知らないけど、なんとなく。
この本を読むまで知らなかったけど、杏ちゃんて実はけっこうな読書家で歴女で野球好き、なのですね。で彼女のばあい仕事柄いろんな人に会うわけで、それらの「出会い」をネタにしたエッセイなのだけど、なかなかしっかりした文章ながら随所にぷぷぷと笑わせるポイントを上手く仕込んでいたりして、いやこいつぁ参ったぜと。
ちなみにこの中で「サカイ教授」というのが出てきて、誰それ?と思っていたら、ああ堺雅人さんですか。で、彼のエッセイはわたくしも読んだのだけど、彼女も同じような感想を持っていて、うんそうそうなかなかやるじゃないかキミぃ、なんて思ったり。
というわけで、たいへん楽しく読ませていただきました。