確かTwitterあたりで見かけて、なんだか面白そうだな、でも結構な値段だしどうするかな、と少しばかり迷ったけれども結局買ってしまった『統計学を革命する:資本主義を支えるAIとアルゴリズム』。
いやあ、参りましたね。難解すぎる。もうちょっと理解できれば面白い話のようなのだけど。タイトルには「資本主義を支えるAI」なんて書いてあるのに、「歴史的に見て、資本主義は新たに発見された不確実性を社会的かつ経済的プロセスに統合することに長けていたが、機械学習の力はこの安定性を揺るがしかねない」とか、どういうこと?
そして、無造作に使われているあれこれの術語は、わりと特殊なものが多いように思うのだけど、どうかな。
たとえば「対象化」。意味はなんとなくわかるけど、なんというか普通の字義上の意味以上のさらに独特の意味があるような気がする。「疎外」みたいな。あるいは「自己と客体の投射と交換」と関係ありそうな。
「頻度主義」って何それ?と思ったが、ちょっと調べてみたら統計学の界隈では普通の、というか一般常識に属する術語だった。何てこった。「頻度主義」のアンチテーゼとして「ベイズ主義」がある。そういう感じ?
でも「係員」はちょっとおかしい。誤訳、とまでは言わないけども、何かもっと適切な日本語があるはず。いや、原文で何と書かれていたのか知らないのだけど、文脈からして「係員」はどう考えてもおかしいだろう。
多分、ヘーゲルとマルクスに関する一定以上のレベルの理解が前提になっているなこの本は。そして統計学と機械学習ね。
いや、そんなん全部わかってるやつおるか?
…おるんでしょうね。まあ世間は広いです。
結局何だったんだろうなこの本の主張は。いやー難しかったな、よぉわからんわ、で済ますわけにはいかんのだよ。2,860円もしたのだから。いずれリベンジしないとね。マルクスとヘーゲルとベイズ統計学と、あと機械学習をもう少し理解してから。
生きてるうちに辿り着けるかなあ。