野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

書写山の社僧正が出まして

昨年『義経』を読んだのは、町田康の『ギケイキ』を読んでみたかったからだ。
なのにもう、『義経』を読んでからかれこれ半年が経とうとしている。
こりゃいかん、ということで忘れないうちに読んでみた。

ハルク・ホーガンというプロレスラーの名前を聞くと、自分(源九郎判官義経)のことかと思う、と初っ端から義経がアホなことを言う。
なんでやねん。
千年後(つまり現代)に転生した義経が、自分の生涯を振り返って語る、という体裁なのだ。さすが町田康、設定がすでにパンクだ。
台詞はすべて超絶コロキアル。現代の日本人が日常的に話しているレベルの、いやそれより相当に砕けた会話で、時に上方落語のようになったりもして、なんとも言えないグルーヴで話が転がって行く。
義経を始めとする登場人物の常軌を逸した行動も、そうやって彼らが語るのを聞くと、なるほどそういうわけでそんな事に、と理解できる。いずれにしても現代人の感覚からすると到底マトモとは言えないけども。
途中で気付いたが、この『ギケイキ』はまだまだ続くのだな。この「千年の流転」ではとりあえず、義経が平泉に行ったものの退屈して京都に戻ってきて、そこには書写山で狼藉の限りを尽くして逃げてきた弁慶がいる、というあたり。話はこれからだ。

あんたの指図は受けないぜ

帰宅したらEcho Popがゆっくり黄緑色に点滅している。
何か言いたいことがあるのだ。
「アレクサ、通知を読んで」というと、
Amazonショッピングから新しいお知らせが1件あります。購入履歴によるとネスレ スターバックスエスプレッソロースト ネスプレッソカプセルをそろそろ注文する時期です。カートにいれますか?」などと言ってくる。

確か二週間ほど前にも同じようなことを言ってきたが断った。しつこいやつだ。
しかしながら実際のところ、件のネスプレッソカプセルの残りは少なくなってきており、そろそろ注文せねばな… と思っていたところなのだ。
なので、小賢しいヤツだと思いつつも「注文して」と指示したら、「カートに追加しました」との答え。
すぐにAmazonアプリでカートをチェックしてみたら、確かに入っていた。
便利といえば便利だが、そのうち「もうすぐ自動車保険の更新時期ですよ」だの「そろそろ冬物をクリーニングに出しましょう」だの「いい加減に住民税の支払いをしたらどうですか」なんて言い出すんじゃないかと思うとちょっと怖い。

ダイバダッタを見てきたか?

快晴である。
じっとしていると寒いが、走るのにはちょうど良いぐらいだ。

昼前ぐらいに出て、例によって千里丘北の住宅街やら公園やらを走ってきた。
今日は11km。

少し遅めの昼食に炒飯を作って食べ、昼寝を20分ほどしたら、なんだかずいぶんダルくなって、しばらくだらけてしまった。
夕方にやまやへ行ってヱビスシトラスブランの6本パックを購入。
ちょっと高いけど美味くて、最近のお気に入りだ。
実はオランジェも好きで、もしあれば買いたいのだが、最近売ってるのを見たことがない。
ってAmazonで買えるのか。

そういえば筋肉少女帯の「オレンヂ・エビス」という曲がある。
名盤『仏陀L』収録だ。

仏陀L(紙ジャケット仕様)

仏陀L(紙ジャケット仕様)

Amazon
歌い出しからいきなり「ラッシャー木村はえらい」とか叫んでてワケわからん。
いやあ懐かしいなあ。

あの筋トレは何だ?

モリコーネ』を観た。

いや実は昨夜も観たのだけど、酔っ払って途中で寝落ちしたので、その続きを観た、というのが正確なところ。
モリコーネ本人が出てあれこれ語るの自体が面白いけど、いろんなコメントをするゲストがそりゃもう豪華すぎて。
クリント・イーストウッドクエンティン・タランティーノパット・メセニークインシー・ジョーンズブルース・スプリングスティーン、果てはメタリカまで出てきて、どないなっとんねんと。
そして、あーあの映画もモリコーネだったか、てのもいろいろ。『アンタッチャブル』の階段落ちのシーンも久しぶりに見た。アンディ・ガルシアが若いなあ。

Fresh

まあ一週間もあっという間ですわな。
今週は全体に寒かった。で晩飯はポトフだと。
ほなちょっと赤いっときますか。ということで先日フジマルのオンラインストアで買ったやつ。Fresh Rougeて。

お、Sly & The Family Stoneやんけ!てことで、いわゆるジャケ買いですわ。

Fresh (Bonus Tracks Edition) [2007 Remaster]

Fresh (Bonus Tracks Edition) [2007 Remaster]

  • スライ&ザ・ファミリー・ストーン
  • ファンク
  • ¥1833
なるほどフレッシュでありました。そして微発泡。
なんつーかこう、気の抜けたファンタグレープみたいな。
って、ディスってるようにしか聞こえんな。
いや、美味かったんですって。

そら濃いでっせ

本日の横綱

期間限定メニューは魚介とんこつ。
「特製赤だれ」と「濃厚」のどちらにするか迷ったが、結局「濃厚」にした。
で、ついうっかりラーメンランチで白ごはん(小)を付けてしまった。
まあでも濃厚スープだしな。

マヨネーズ使うのはあり、みたいです

『土を喰らう十二ヵ月』という映画をちらっと見て、うわージュリーもずいぶんおじいちゃんになったのだな、と驚いた。というのはまあ置いといて、なかなか面白そうな映画である。原作、というか原案は『土を喰らう日々 我が精進十二ヵ月』というエッセイであるらしい。じゃちょっとそいつを読んでみるか、ということで。

映画のような話は出てこない。葬式の仕切りを押し付けられて大量の胡麻豆腐を作ったり、筍を煮たらそれを嗅ぎつけた松たか子が食べにきたり、というようなことは起こらない。
そりゃそうだ、原作ではなく原案なのだから。
それでも原案であるから、上記の胡麻豆腐も筍も、そして里芋もほうれん草も梅干しも、すべて出てくる。いずれの話も非常に興味深い。
そして、料理がみんな、それは美味そうなのだな。
映画の方の料理を担当した土井善晴せんせは、「おいしい」にも、「日常の無事を喜ぶもの」、「お祝いの喜びを楽しむもの」、「感性を通して喜ぶもの」、「本能を楽しませるもの」、「本能の快楽をともない、視覚・味覚両面の造形を楽しむもの」などいろいろある、と『味つけはせんでええんです』に書いている。このエッセイに出てくる料理はどれも「日常の無事を喜ぶもの」であり、時に「本能を楽しませるもの」であると思う。
著者が少年時代に修行をしたという禅寺においては、庫裡を走り回り、とにかく手持ちの食材をかき集めてなんとか料理を作るのだそうだ。すなわち「馳走」である。そして、食材の廃棄を極力少なくし、手間をかけて調理する。これが「精進」であると。なるほどねえ。
今ならタラの芽の天ぷらなんかが美味いんじゃないかな。