内田樹先生の本は、どれを読んでもだいたいどれか他のウチダ本で読んだことのある話が書いてある。普通なら「何だよまた焼き直しかよ」と思うところだが、不思議とそうはならないのがウチダ先生のすごいところだろう。その中でもとりわけ、身体論というのは様々なウチダ本のあちこちでよく取り上げられるテーマではないかと思う。諸々のウチダ本およびウェブサイトから身体論に関係するテクストばかりを集めたアンソロジーが、「私の身体は頭がいい」という本だ。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/09/04
- メディア: 文庫
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あとがきによると、
どちらかというと私は「余暇に武道の稽古をしている大学教師」というよりは「生活のために大学教師をしている武道家」なのである。
ということだ。それほどまでに、この人の武道に対するこだわりは強い。そんな人が武道について語るのだ。武道には、その究極の段階においては「勝ちたい」という欲求をなくし、さらには自分自身に対する敵という二項対立自体そのものを解消してしまうという逆説を内在する、といったような話を、「ほうほう」とばかりに読むわけだ。面白いのだ。
今度は甲野善紀先生の本を読んでみないといけないのだ。