翻訳家・岸本佐知子さんのエッセイは以前に読んだことがあり、これがまた強烈な妄想全開で素晴らしいものだった。なので、本業である翻訳された小説も読んでみたいとかねてから思っていた。というところに、ある日書店で短篇集「居心地の悪い部屋」を発見した。さっそく買い求めて、でもちょうど厄介な本を読んでいたところだったのでなかなか手を付けられなかったのだが、やっとのことで読めたわけですな。
- 作者: 岸本佐知子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/03/27
- メディア: 単行本
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いやぁ、すごいですなこれ。よくもまあ、こんな小説ばっかり集めてこられたものだと感心する。そして「居心地の悪い部屋」というタイトルは秀逸だと思う。色んな作家の、ちょっと気持ち悪い話や、なんとなく怖い話、どこかトボけた話が満載なのだが、共通して言えるのは、まさにこの「居心地が悪い」という読後感だと思う。どうも落ち着かない、座りが悪いというか。カーヴァーなんかが、わりとこれに近い感じがあるけどもう少し重症だ。いやはやなんとも。