「県庁おもてなし課」、映画化されて話題になってますな。文庫にもなったことだし、飛行機の中で読むのにちょうど良さそう、てんで帰りのフライトで一気読み。ちなみに帰りのUA便では席ごとに個別のモニターがついておらず映画が観られなかった。だからもう本を読むしか無いわけで、念のためにと3冊持って行っておいて本当に良かった。
いやもう、有川テイスト満載の一冊ですね。よく読むとわりとヘヴィな部分もあるはずなのだけど、登場人物のそれぞれ何とも魅力的なキャラクターと軽妙な会話でテンポ良く読める。とても面白い。
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2013/04/05
- メディア: 文庫
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地元に観光客を呼びよせるための企画、という特命をおびて発足した、高知県庁の「おもてなし課」(実在するらしい)。文字通りの「お役所仕事」でグダグダのスタートだったのが、地元出身の作家による厳しいアドバイスにより、それなりに成果をだしていけるようになる、というような話なのだが。べつに民間企業に勤めてるからって、彼らのお役所仕事、お役所的発想てのを簡単に笑えないなという気がする。結局は自分と違う立場や境遇の人々に対する想像力、ということに尽きると思うのだけど、自分がそれをちゃんと持っているかと自問すると、ちょっと自信がない。つまり、あるコンテキストにおいて、ある立場から見れば、自分たちも彼らと同じぐらい滑稽なことをしている可能性は十分にあるわけだ。そう考えると、ちょっと冷や汗が出てきますな。
ところでこの本、ターゲット顧客を設定し、商品・プライシング(これはあまり出てこなかった)・コミュニケーション・流通の戦略を考える、という古典的なマーケティング論のケーススタディという読み方もできるかも。
映画はまあ、WOWOW待ちかな。