野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

手短に言うとこうなる

トマ・ピケティの最新作『資本とイデオロギー』の邦訳がついに出るらしい。
前作の『21世紀の資本』は2年前のゴールデンウィークに読んだ。新型コロナによる行動制限でほとんど家に居て暇だったので、ああいう「ずっと気にはなっているがおいそれとは手を出せない」本を読む良い機会であったと思う。あの本も大概マッシヴな代物であったが、件の新作は呆れたことにさらにページ数が増えているらしい。もちろん価格もそれに見合う分だけ上がっていることだろう。
そんな新作に先駆けて、『自然、文化、そして不平等』という講演録が出ている。100ページにも満たないコンパクトな書籍である。これなら気軽に手を出せる。
自然、文化、そして不平等 ―― 国際比較と歴史の視点から (文春e-book)
21世紀の資本』と言っていることは大きくは変わらない。むしろ、国内の階層間だけでなく国と国の格差、ジェンダー格差、自然破壊など、より広範なトピックをカバーしている。にもかかわらず、『21世紀の資本』の1/6以下のボリュームである。
やればできるんじゃないか。
膨大なデータ量で圧倒しないと説得力が無いと思っているのか?
大丈夫、あんたの言うことは信じてやるよ。もちろん大量のデータをうねうね分析するのは大いにやってもらって結構。だけどそれを全部見せてもらわなくて良いから。
てなこと言うのは罰当たりってもんですかね。