野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

今度はマクロンがボロカスに

エマニュエル・トッドって特別に親日派というわけでもないと思うのだけど、少なくともわたくしの知る範囲ではあまり日本についてネガティヴなことを発言しているのを見たことがない。
基本的にはけっこう口が悪い方だと思うし、特に、日本と同じ直系家族構造であると分類しているドイツに対してはずいぶんと悪口も言っているのに。
日本におけるトッドの人気が高い理由には、その辺もあったりするんじゃなかろうか。いや、知らんけど。
いずれにしても日本には、何かの媒体に書いたコラムのようなものを集めた、とか、インタビューをまとめた、みたいな数多くの「トッド本」がある。
エマニュエル・トッドの思考地図』もそのひとつで、これなんぞ日本オリジナル企画の語り下ろしだってんだから恐れ入る。

そして、ああまた、と思いつつもやっぱり読んでしまう。
特定のトピック(時事ネタ)についてではなく、トッド自身の思考法について語る、という内容で、まあそれはそれで興味深い。
トッドって学者というよりも、何というか職人っぽい感じがするな。アホほどデータを集めて、そこからインサイトを引き出すっていうアプローチは、データサイエンティストともいえるし。そう言えばピケティの『21世紀の資本」はモロにそんな感じだった。というかあれを読んだ時に「トッドっぽいな」と思ったのだった。
さすがにちょっと持ち上げすぎちゃうの、といつも思いつつも、けど今回もやっぱり面白かった。何だかくやしいなあ。