野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

わたくしポリアンナ見たことないんです

『困難な組織を動かす人はどこが違うのか』などという本がKindleに入っていて驚いた。
誰が買ったんだこれ?
ってそりゃもちろんわたくしが自分で買ったに決まっている。実際、心当たりが無い訳ではない。というか「試し読み」で最初の方をちょっと読んだような気もする。
しかし購入まで進んだ記憶がない。
本当にもう、あちこちで言い尽くされていることなので改めて言うのも憚られるのだが、やはり酔っ払ってAmazonを見るのはやめた方が良い。

そんな感じで偶発的な事故により購入してしまった本であるが、これはこれでなかなか読み応えあるのだ。
ポジティブに逸脱した成果を出す組織は、ポジティブな面にフォーカスしている、と、ざっくり言ってしまえばそんな感じですか。
この「ポジティブな逸脱」ってのがちょっとわかりにくいけど、要するに並外れたとか途方もない、ぐらいな意味で、だったら普通にそう書けば良いのにわざわざこんな言い方するってのは、ポジティブって単語を使いたかっただけちゃうんか(知らんけど)、などと勘繰ってみたり。原書でもpositiveって書いてるんだろうなきっと。
でもまあ、ポジティブにフォーカスするってのは良いと思う。単にネガティブなことを無視してお花畑に住む、ってことではなく。
もともとホモ・サピエンスは(というか生き物は大抵そうなんだろうけど)ポジティブなことよりネガティブなことに対する感度が高い。そうしないと生き残れないからだ。しかし一方で、ネガティブなことを言ったり考えたりしすぎることは我々の心身に少しずつネガティブな影響を与え、最終的にはパフォーマンスの低下をもたらす、と。
そういえば『Think CIVILITY: 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』にもそんなこと書いてたよな。
もちろんネガティブなことを無視してはいけないし、適切に対処しなければならないのだけど、つまりは事象の捉え方、意味付けの仕方、あるいはものの言い方であり、そしてパワーのかけ方のバランスの問題であると、そういうことですかね。

今まではどちらかというと、どこを向いてもとにかく危機感を煽る方向の話しかなかったように感じるのだけど、2010年代以降かな、ちょっとこういう感じの主張も何となく散見されるようになってきた気がする。こういうのも時代の流れってんですかねえ。