野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

そういえばルワンダの話とか

映画の『ブレット・トレイン』を観る前に原作の『マリアビートル』を読み直しておこう、と思ったのだが間に合わなかった。
まあそれはそれでもよかろう。
なので原作の内容に関する記憶は朧げなのだが、それでも映画を観た時に「絶対こんな話とちゃうわ」と確信していた。
というわけで答え合わせだ。

とりあえずアレだな、「ホワイト・デス」って誰やねん?
ウルフ(原作では狼)の背景にそんなストーリー無いやろ?
新幹線脱線させておまけに爆発までさせて、何考えとんねん?
でもそんな事を言い出すとキリがない。あの映画も、あれはあれで良いのだ。サイバーパンク・アクション・バカ映画の傑作だ。
原作ではやはり、王子の純度の高い邪悪さというのがかなり重要なモチーフなのだと思う。その辺りは、2時間のバカ映画で扱うにはちょっと厳しいだろう。もちろんそちらにフォーカスすればやれるだろうが、そこは優先順位の問題だ。
木村の父が真田広之、というのは日本人だから、という理由でそうなった部分が大きいと思うのだが、そこは映画としても結構大きな分岐点だったのではないか。
原作では終盤に木村の両親が登場するわけだが、映画でもキムラの母が過去にホワイト・デスに殺された、なんていう安っぽい設定にせず、父にリーアム・ニーソン、母はヘレン・ミレンぐらいなキャストにすれば、新幹線の中でチャンバラさせたり新幹線を爆発させたりしなくても、原作に近い感じで十分面白い展開になったと思うのだけど。