野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

読書

トマトにワサビもマリネにチーズもイケるらしいぜ

昨年『ヘイ・ジュード』を読んで、「やっぱり一作目の『東京バンドワゴン』も読んどいた方が良いかな…」と思ってから、もう一年経つのか。 文庫での最新刊『アンド・アイ・ラブ・ハー』が出てしまった。アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン (集英社文…

あまりわたくしが心配しても仕方がないことかと

3ヶ月ほど前にリアル書店で紙の本を爆買いした中で、一番の難物が『21世紀の資本』だ。 結局手を出したのは一番最後、でもちょうど大型連休に入ろうとするところで、タイミングとしては良かったと思う。こんな本は、まとまった時間が取れる時に、一気にやっ…

デザイナーをナメたらあかん

お、太田のオジキの新作が出とるやないか、と気づいて早速に『月の下のカウンター』を買い求めたのは3月の初旬。月の下のカウンター (小学館文庫 お 3-8)作者:太田 和彦発売日: 2021/03/05メディア: 文庫ちびちびと読んでいるうちに、随分と経ってしまったな…

そういうのが受けると思ってるんだろ

ずっと気になりつつもなかなか手を出せていなかった『時間は存在しない』を、先日の爆買いでやっと入手した。時間は存在しない作者:カルロ・ロヴェッリ発売日: 2019/08/30メディア: Kindle版それにしてもこの『時間は存在しない』という邦題はまた、何ともセ…

これこそブルシットってやつじゃないか?

『マネー・ショート』という映画が何だか面白そうだ。どうやら原作があるらしい。『世紀の空売り』というノンフィクションだ。 それじゃまずはこいつをちょっと読んでみようじゃないか。 どうやら、リーマンショックで儲けたやつらの話らしい。世紀の空売り …

話は思わぬ方向へ

新型コロナウイルス感染症が流行し、「不要不急の外出を控えるように」そして「テレワーク推奨」なんて言われるようになった。もちろん、それでも現場に行かないとできない仕事ってものがある。それは往々にして、その仕事を誰かがやらないと一般市民の日常…

神風なんて吹かない

元寇、っていうのは、蒙古(元)軍が日本に攻めてきたんだけども、暴風雨(いわゆる神風ですな)にやられて帰っていった。ってなぐらいの理解しか、わたくししてなかったんですけどね。 実は話はもう少し複雑で、そして謎も多いんだそうですね。 蒙古軍は対…

あんたこんなとこにおったんかいな

優れた技術により市場で確固たる地位を築いている大企業が、新興企業の性能で劣る製品やサービスによっていつの間にかシェアを奪われ、駆逐されていく。 クレイトン・クリステンセンは『イノベーションのジレンマ』でこの現象について分析し、さらに『イノベ…

味噌ってのはよ

たとえば一週間ぐらい海外出張に行ったとする。その間の食事に関して、わたくし大抵のものは食べられるので、カロリーが高すぎるとか量が多すぎるということを除けば特に大きな問題はない。しかしながらやはり、終盤に近づいてくると無性に食べたくなるのが…

11次元の人たちですからね

牛を球体とみなす。というのは一般的なジョークだったのか。恥ずかしながらわたくしは、『物理学者のすごい思考法』を読んで初めて知った。物理学者のすごい思考法 (インターナショナル新書)作者:橋本 幸士発売日: 2021/02/05メディア: 新書ちゃんとspherica…

2+2=5?

超有名なのに読んだことがない本、というのはいろいろある。 『1984年』(あるいは『一九八四年』)もそのひとつだった。 いずれは読んでおかなければな、と思っていたら、最近になって新訳が出たのだとか。古い小説というのはなかなか読みにくかったりする…

奴に教えてやりたいぜ

超絶デキるクソ野郎とボンクラなナイスガイ。 一緒に仕事するならどっちが良い?って訊かれたら、うーん難しいな。どっちも嫌だ。 そこそこデキるナイスガイで良いよ、ていうのは贅沢かな?でも『Think CIVILITY: 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』…

だいぶ熟成させちまったな

NHK Eテレの『しごとの基礎英語』という番組をシーズン2から3ぐらいまで見ていた。なかなか面白い番組だった。一人だけ台本を知らされていないアキこと篠山輝信くんが、ぶっつけ本番で英語を喋る、のだが初期の頃はどうしようもないくらいにグダグダだったの…

うらまないのがルールだぜ

もう10年以上前になるが、『クロッシング・ザ・ブリッジ』という映画を観に行った。 アインシュトゥルツェンデ・ノイバウテンのアレクサンダー・ハッケがイスタンブールのあちこちへ行き、地元のミュージシャン達とあれこれセッションをする、というドキュメ…

そりゃ煮転がしの方が美味いよね

土井善晴せんせと中島岳志さんのオンライン対談が『料理と利他』という本になってミシマ社から出るという。ということはKindle化はされないだろうし文庫になる可能性も低いだろうから、単行本を買って読むのがよろしかろう。 (と思ったらきっちりKindle化さ…

騙される方が悪いってな

書店で『一度読んだら絶対に忘れない 世界史の教科書』なんてのを見かけて、ちょっと気になったので手に取り、ぱらぱらと眺めてみたらなんだか面白そうだったので買ってみたのは昨年の秋ぐらいだったか。 しばらく寝かした後で着手し、気が向いた時にちびり…

「がんだれ」ってちゃんと厂に変換されるんだな

「フェイクニュース」という言葉が広く知られるようになったのは、妙な髪型をしたおっさんが大統領になり、ツイッターで次々とブルシットを撒き散らすようになってからじゃないだろうか。 あのがんだれ頭に限ったことではないけども、ちょっと調べたらすぐに…

京橋のあの辺とかもね

また「高低差」シリーズ(?)の新作が出た。 『ぶらり 大阪「高低差」地形さんぽ』って、今までのタイトルとどう違うんだったっけ?と思わず調べてしまった。うん、ちょっとだけ違うな。ぶらり大阪「高低差」地形さんぽ作者:新之介発売日: 2020/11/09メディア:…

そういうわたくしもまたおっさんですから

もう何年も前に文庫化されていて、気になりつつも手を出しそびれていた『総理の夫』が、ドラマだか映画だかになるそうで、店頭にて改めてフィーチャーされていたので、やっと読んでみた。総理の夫 First Gentleman 新版 (実業之日本社文庫)作者:原田 マハ発…

スペインもえらいとばっちりを食うたもんやね

パンデミックで世界中が大混乱。この先いったい何が起こるのか。 てなことについては、いろんな人が好き勝手なことを言ったり書いたりしている。 そんな本があれこれ出ているというのは、やはりみんなその辺が気になるところなわけですね、当然ながら。 で、…

そろそろポイントオブノーリターン

「人新世」と書いて「ひとしんせい」と読む。 え、そうなん?と思ったが別に「じんしんせい」でも良いらしい。どないやねん。 地質時代区分のうち最も新しい(つまり現代を含む)のが「完新生」である。地質学的には同じ完新生であっても、ある時点から人類…

シェーキーズがまだあったとは驚きだぜ

書店で『たそがれ御堂筋』という本を見つけ、手に取った。うむ、なんだかこれは面白そうだ、とレジに持って行きかけたが、これは『バー堂島』という小説の続編らしい、ということに気付いた。バー堂島 (ハルキ文庫)作者:吉村喜彦発売日: 2019/10/12メディア:…

それでもやっぱり手を出さずにはいられない

いろいろ読んでみても肝心なところが何だかよくわからないのに、マルクス・ガブリエルの名前が入っていると、つい手を出してしまう。悪い癖だ。その辺が出版社側の作戦なのだろうと、わかっているのに。 それにしても『全体主義の克服』とはまた大層なタイト…

誰もが劉禅をボンクラ呼ばわりする

やっと出た。人気キャラがほぼいなくなってしまい、「孔明、大いに泣く」の第四部から3年。『泣き虫 弱虫 諸葛孔明』の第伍部が出た(って、文庫本の話で、単行本はとっくの昔に出てたけど)。泣き虫弱虫諸葛孔明 第伍部 (文春文庫)作者:酒見 賢一発売日: 20…

ミーツの罠

特定の雑誌を読む習慣というのは無いし、かさばるのででるだけ買わないようにしているのだけど、たまに「ミーツ・リージョナル」にはつい手を出してしまう。いろんな意味で、なかなか罪深い雑誌だと思う。 ちなみに2020年11月号は「北浜・淀屋橋・肥後橋・本…

数で勝負とか言わない

『コロナ後の世界』という本があり、ジャレド・ダイアモンドが何やら書いているので、おっ?と思ったのだが、それとは別に『コロナ後の世界を語る』というのもある。こちらはユヴァル・ノア・ハラリが寄稿している。 紛らわしいことしやがって、どっちを読ん…

一難去ってまた一難

2000年代後半ごろのイタリアを見ていると、何だかクソろくでもない奴が首相をやっているのだなと思っていた。 そのうち汚職やら何やらの疑惑もあって辞職し、そりゃそうですよねーと納得したのだが、驚いたことに数年後にはまた復活していて、おい大丈夫かイ…

A working class hero is something to be

UKでも「こんまり」がブームになっているのだそうだ。 『KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~』 なんていうNetflix番組があるのだな。うへぇ。 ロイヤルメールで夜間シフトのトラック運転手として働いていたサイモンはすっかり「こんまり信者」になって…

今回もカモられました

エマニュエル・トッドの名前さえ出しておけば、何も考えずにありがたがって手を出すお調子者が日本には一定数いる、と出版業界では思われているんじゃないだろうか。ここ5〜6年ぐらいの間に出てきた新書を見ていると、そんな気がする。 それはつまりわたくし…

ドラマや映画では見たことないですね

たとえば「公安に目をつけられた」なんて言うとき、それは公安警察と公安調査庁のどちらを指しているのだろう? そんなこと今まで考えたことはなかった。それらが別のものだということを分かってなかったからだ。 佐藤優と手嶋龍一、この二人の組み合わせに…