野生のペタシ (Le pédant sauvage)

Formerly known as 「崩壊する新建築」@はてなダイアリー

読書

ややこしいおっさんやで

この副島隆彦という人は、いったい何者なんだ? 『ウイルスが変えた世界の構造』を読んでそう思った。ウイルスが変えた世界の構造作者:副島隆彦,佐藤優日本文芸社Amazon新型コロナはただの風邪なのに騒ぎすぎ。 先のアメリカ大統領選では不正選挙が行われて…

困難なのはわかりますけど

ちょっと前に、私が責任者ですとか責任を痛感していますとか無闇矢鱈と言うばかりで、ついぞ責任なんぞ取ったためしのない内閣総理大臣、なんてのがいたような気がする。 実際問題、責任なんて取れないんですよ、と『困難な成熟』に書かれていた。困難な成熟…

コンプライアンスってのはよ

『下町ロケット ヤタガラス』を読んで思った。 前作の『下町ロケット ゴースト』とは連続したストーリーではあるが一応はそれぞれ独立した作品になっている。別々に読むのも悪くはないだろう。しかしこれらの2冊、『ゴースト』と『ヤタガラス』は、やはり通…

そうやってディスりながらも結局は

今年の3月、新型コロナウイルス感染症が猖獗を極める中で出張した時、新幹線の中で読む本が無かったので新大阪駅の中にある書店で適当に選んだのが『新しい世界』という新書だった。 なかなか面白いなと思いつつ読んだのだが、どうもどこかで紛失したようで…

博士はまだ生きてるんだな

田中角栄といえば汚職政治家であり、自民党的金権政治の象徴、というのがわたくしの持っているイメージだった。 なぜか。ロッキード事件で逮捕され、有罪になっているからだ。 何せあれはわたくしが小学生の頃の話で、とにかく大人たちが角栄は悪いやっちゃ…

イマドキの中坊ってのは

『ワイルドサイドをほっつき歩け』はずいぶん面白かった。 でも、その前に『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読んでおくべきだったかな、とも少し思った。 そうこうしているうちに文庫が出た。そら読まなあきせんわな。ぼくはイエローでホワ…

先は長いですな

フーリエ変換とかラプラス変換とか、基本的な理屈は何となくわかっているつもり、でいる。 けども、細かいところがけっこう怪しかったりするのだよな。 なので、よくわからない部分は適当に誤魔化しながら今までなんとかやってきたのだけど、やっぱり気持ち…

民事訴訟における秘密録音の証拠能力について

『下町ロケット』シリーズの『ゴースト』と『ヤタガラス』が文庫化された。とりあえず『ゴースト』からいこう。下町ロケット ゴースト (小学館文庫)作者:池井戸潤小学館Amazonどうして佃製作所ってのはこう次から次へと難儀なことばかり発生するのか。 まる…

ほうはん、とお読みするのでしょうか

呉漢って誰だ?とググってみると、後漢の武将で字は子顔(しがん)、南陽郡宛県(河南省南陽市)の人で光武帝の功臣、とWikipediaに書いてある。なるほど。 ちなみに後漢は「ごかん」と読むのだと思っていたのだが、どこかで「こうかん」と読ませているのを…

そりゃ怒る人もいるよね

エリザベス・キューブラー=ロスの『死ぬ瞬間』は有名な本だ。わたくしも読んだことがある。 と思っていたが、どうも勘違いだったようだ。 この本が、十数年前に読んだ立花隆の『臨死体験』で引用されており、なかなか興味深い内容だったので、これもいずれ読…

爆笑してる場合やおまへんで

単行本で出た時にはまったく気にも留めていなかった、というか存在に気付いていなかった『短くて恐ろしいフィルの時代』が、最近になって文庫化されたようだ。短くて恐ろしいフィルの時代 (河出文庫)作者:ジョージ・ソーンダーズ河出書房新社Amazonほとんど…

そろそろ行きたいですな

『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』を読み、タルマーリーにも何度か行った。 あのパンは美味い。わたくしの友人は「パンの概念が変わる」と言っていた。その通りだと思う。 しかし「腐る経済」に書かれているのは、まだ岡山県の勝山に店があった頃の話…

お主も悪よのぉ

『沈まぬ太陽』、いよいよ第三部の「会長室篇」へ。沈まぬ太陽(四) -会長室篇・上-(新潮文庫)作者:山崎 豊子新潮社Amazon沈まぬ太陽(五) -会長室篇・下-(新潮文庫)作者:山崎 豊子新潮社Amazon御巣鷹山の墜落事故もあり、国民航空もいよいよヤバ…

夏休みの自由研究2021

先日読んだ複素関数論の本が少しばかり残念な出来で、もうちょっとマトモな、でもイカツすぎない本はないだろうか、と探してみたところ『複素関数論の基礎』が良さそうな感じだった。複素関数論の基礎作者:山本 直樹裳華房Amazonこちらは「当たり」だと思う…

ロックスターは信用できない

今までにマルクス・ガブリエルの著作(アンソロジーやインタビューも含む)を何冊か読んだ。 所々で、ちょっと面白いなと思う考え方や指摘はありながらも、全体的にどうもすっきりしない思いを抱えつつ今回も『つながり過ぎた世界の先に』を読んでみた。全編…

何気にスプラッタですぜ

勢いに乗って『沈まぬ太陽』の(三)「御巣鷹山篇」を読んだ。沈まぬ太陽〈3〉御巣鷹山篇 (新潮文庫)作者:豊子, 山崎新潮社Amazon昨夜少し読もうと思ったが止まらなくなり、1/3ぐらいのところで強引に止めたが睡眠不足だ。そして本日、残りを一気読みした。 も…

一年に三回もやらかしてたんか

少し前にWOWOWで『沈まぬ太陽』のドラマをやっていて、途中からチラ見していた感じだとなかなか面白そう。これは原作読んでみるかな、と思っていたら実家で文庫版全5巻を発見。とりあえず(一)と(二)の「アフリカ篇」を読んでみた。沈まぬ太陽(一) -アフリ…

アニメも復活させてほしいよね

柳広司氏の新作『ゴーストタウン 冥界のホームズ』を読んだ。ゴーストタウン 冥界のホームズ (角川文庫)作者:柳 広司KADOKAWAAmazonシャーロック・ホームズは『最後の事件』において、宿敵モリアーティ教授との格闘の末、ライヘンバッハの滝に落ち、死亡した…

今度はマクロンがボロカスに

エマニュエル・トッドって特別に親日派というわけでもないと思うのだけど、少なくともわたくしの知る範囲ではあまり日本についてネガティヴなことを発言しているのを見たことがない。 基本的にはけっこう口が悪い方だと思うし、特に、日本と同じ直系家族構造…

無くてもたぶん困らない

わたくしが大学生の時のことで、細かい内容までは思い出せないのだが、シュレーディンガー方程式を解くのだか固有値を求めるのだか、とにかくそんなことをしようとしていた。ところが解けない。というか解き方がわからない。 とある論文ではその答えを「留数…

一日二杯は時代おくれでっせ

ついに痛風を発症してしまい、しかしながら10日ほど消炎鎮痛剤を服用し痛みが去った後の医師の診立ては「尿酸値は正常範囲内であり服薬により下げるほどでもない、よって経過観察」となった。 まあ無闇に薬飲むのもな。それにしても、そんなアホほどビール飲…

今じゃアレフってのはよ

無限とは何か。限りが無い、ちゅうことですね。当たり前か。 そんなもん小学生でも知ってるわ、と言いたいところだけども、ちゃんと説明しようと思うと、意外と難しい。 けど無限ってそこら辺どこでも転がってたりする。無限がなければ微分も積分もフーリエ…

すでに起こった未来ってやつですね

出た当時から気になっていた『人口減少社会の未来学』になかなか手が出せないうちに、とうとう文庫が出てしまった。人口減少社会の未来学 (文春文庫)文藝春秋Amazon『48億の妄想』という小説がある。初版が1983年。その当時の世界人口は48億人だったのだ。そ…

生きながら山頂に葬られ

人間と他の動物との違いは、死者を葬うこと、であるらしい。 なるほどそうかもしれない。だから、葬送儀礼というのは人類学の研究対象になるのだろうな。 で、葬儀をモチーフにした映像のアート作品を見て、「葬い」を映像で記録することに関してアーティス…

神社ヤバいっすね

小学校だか中学校だかで習う日本の歴史は、縄文時代から始まる。 その後に稲作が導入されて弥生時代になる、というような感じだ。 縄文時代というのは今から1万年以上も前のことだが、今でもその痕跡は、注意深く観察すれば日常的に目にしたり触れたりしてい…

誰も死んだりしませんから

あの「ビストロ・パ・マル」シリーズがドラマ化されるのか。 『シェフは名探偵』って?えらいベタなタイトルをつけるもんですなあ。三船シェフ役は西島秀俊か… ふーん。 まあそれはそれとして。ドラマ化とどう関連するのかは不明ながら、原作の方もついにシ…

苦闘は続く

みずほ銀行といえば、いろいろやらかす銀行、というイメージがある。つい先日もまたやらかしていた。莫大な費用と年月をかけ、「IT業界のサグラダファミリア」などと上手いこと、じゃなかった酷いことを言われつつもやっと、新しいシステムが完成した矢先の…

トマトにワサビもマリネにチーズもイケるらしいぜ

昨年『ヘイ・ジュード』を読んで、「やっぱり一作目の『東京バンドワゴン』も読んどいた方が良いかな…」と思ってから、もう一年経つのか。 文庫での最新刊『アンド・アイ・ラブ・ハー』が出てしまった。アンド・アイ・ラブ・ハー 東京バンドワゴン (集英社文…

あまりわたくしが心配しても仕方がないことかと

3ヶ月ほど前にリアル書店で紙の本を爆買いした中で、一番の難物が『21世紀の資本』だ。 結局手を出したのは一番最後、でもちょうど大型連休に入ろうとするところで、タイミングとしては良かったと思う。こんな本は、まとまった時間が取れる時に、一気にやっ…

デザイナーをナメたらあかん

お、太田のオジキの新作が出とるやないか、と気づいて早速に『月の下のカウンター』を買い求めたのは3月の初旬。月の下のカウンター (小学館文庫 お 3-8)作者:太田 和彦発売日: 2021/03/05メディア: 文庫ちびちびと読んでいるうちに、随分と経ってしまったな…